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ジョッキークラブが公園に=かねてからの市民運動の末

 サンパウロ市西部ブタンタンにある大型競馬場「ジョッキークラブ」をサンパウロ市が買い取り、市民公園とすると発表された。16日付伯字紙が報じている。
 サンパウロ市は17日、市民にとって大きな憩いの場のひとつとして知られるジョッキークラブを6400万レアルで買い取ることを発表した。この額は、ジョッキークラブが未払いとなっている都市不動産所有税(IPTU)を軽減する目的も兼ねている。
 ジョッキークラブは1941年に競馬場としてオープンし、競馬人気がピークに達した1970年代は賑わったが、その後は競馬での用途を減らし、2005年からは、1969年に開設した少年サッカー・チームの練習場や、大型の野外コンサート会場として使われていただけだった。
 ジョッキークラブの敷地面積はサンパウロ市最大規模の公園である南部のアクリマソン公園を超える16万9千平米に及び、ジルベルト・カサビ前市長の頃から近隣住民による市民公園化の運動が起こっていた。カサビ氏も同地を公的利用を目的としたものにするよう命令を出したが、既に無効となっていた。
 また、サンパウロ市議会では2003年に、ジルベルト・ナタリーニ市会議員(緑の党・PV)が同クラブを市民公園化する提案を行なった。この提案は10年後の2013年に市議会で承認されたが、ハダジ市長はこの法案に拒否権を行使していた。「市長がその判断を覆してくれて本当に嬉しい。これはサンパウロ市民にとっての朗報だ」とナタリーニ市議は語っている。
 ジョッキークラブの経営者は同地の市民公園化に際し、少年サッカー・スクールはそのまま存続するよう訴えている。同スクールからはゼー・ロベルトやジュリオ・バチスタなどのセレソン選手が生まれている。