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17日に会談を行った伯中両国首脳(Wilson Dias/ Agência Brasil)
17日に会談を行った伯中両国首脳(Wilson Dias/ Agência Brasil)

伯中首脳会談で大型合意=牛肉輸出と航空機問題解決=鉄道事業や電力、インフラも

 ジウマ大統領と習近平中華人民共和国主席が17日に首脳会談を行い、32項目にわたる大型合意に調印したと17日付アジェンシア・ブラジルや18日付エスタード紙などが報じた。
 両首脳は大統領官邸で会談後、外務省での企業家間の会合に合流。午後は外務省で、ブラジル、中国、ラ米カリブ諸国共同体(Celac)中4カ国(チリ、キューバ、アンティグア・バーブーダ、コスタリカ)、南米諸国、メキシコの各国首脳との会談、夜はウリセス・ギマランエス・コンヴェンション・センターで伯中修好40周年記念式典が開催された。
 伯中首脳会談その他の会談は、近隣諸国の中で存在感を際立たせ、外交面での成果を挙げたいブラジルと、投資拡大や経済支援を通じて影響力を拡大する事で孤立化を避けたい中国の意向が反映されたものとなった。
 ブラジルの懸案事項の最たるものは、牛肉輸出や02年に中国国内に建設されたエンブラエルの工場での航空機製造に関する問題だ。中国への牛肉輸出は一時解禁された後に狂牛病の疑いが生じて停止され、再開交渉が難航していた。今回の首脳会議では輸出を再開する事が確認され、それ以外の農業分野での関係強化も決まった。エンブラエルに関しては、中国が同社製航空機を60機購入との合意が成立した。
 合意内容は幅広く、鉱工業やエネルギー、金融など多岐にわたる。工業では、サンパウロ州カンピーナスに9500万ドルを投じてバス用エンジン製造工場を建設する事と、同州ジャカレイーに3億ドルを投入し、建設用機械の製造工場を建てる事が決まった。
 太平洋と大西洋を繋ぐ鉄道網建設計画の入札には、ブラジルのカマルゴ・コレアと中国の鉄道会社CRCCなどからなるコンソーシアムの参加で合意成立。タパジョー川の水力発電所建設でも、エレトロブラスとフルナス、中国の中国長江三峡集団公司(CTG)とCWEIパルチシパソンエスがコンソーシアムを組んで入札に参加する。
 インフラ関係ではブラジルの郵便局と中国のアリ・ババが物流用倉庫の建設で、教育面ではブラジル連邦大学やオンラインでのマンダリン講座開設、ブラジルからの国境なき科学の研修生受け入れなどで合意が成立。外交面では商用ビザを3年間有効とし180日までの滞在を認める事も決まった。
 また、Valeと中国銀行など、企業間の協力や交流、技術提携などに関する覚書も取り交わされた。法定アマゾンの保護に関する情報・通信技術や遠距離監視システムについても、両国間で調書が交わされた。