現代のブラジルを代表する小説家のジョアン・ウバウド・リベイロが18日未明、リオの自宅で死去した。73歳だった。18日付伯字紙サイトが報じている。
1941年にバイア州イタパリカで生まれたウバウドは、バイア連邦大学法学部を卒業後、ジョルナル・ダ・バイア紙などで働いた。米国の大学院で公共経営学と政治科学も修め、バイア連邦大学やサルバドール・カトリック大学で政治学を教えたが、再びジャーナリズムに傾倒。米国やドイツ、英国、ポルトガルにも積極的に渡航して人脈を広げ、これらの現地新聞にも寄稿していた。
最初の長編小説は1963年に発表した「セテンブロ・ノン・ファイス・センチード」で、71年に書いた「サルジェント・ジェツリオ」で、72年にブラジル文学界の権威、ジャブチ賞小説部門を受賞した。同小説は英訳されて国際的に発売され、好評を得た。
1984年には同年編集の「ヴィヴァ・オ・ポヴォ・ブラジレイロ」で2度目のジャブチ賞小説部門を受賞した。この小説は4世紀にわたるブラジルの歴史を描いたもので、2年かけて英訳された。同書はブラジル史を紐解く上で重要な作品としても位置づけられている。
1993年にはこれらの功績が認められ、ブラジル文学アカデミーのメンバーに選ばれた。2008年にはポルトガル語文学の最高峰であるカモンエス賞も受賞。近年はエスタード紙のレギュラー・コラムニストとしても注目され、長男のベント・リベイロは現在、若手の喜劇俳優として人気を博している。
ウバウドの文学スタイルの特徴は、ブラジルの社会的文脈の中で、歴史的事実を実際に見てきたかのように詳細かつユーモアのセンスを織り交ぜて書く知的さで、ポルトガルやアフリカの文化的要因も盛り込まれている。
ウバウドは肺血栓症を患い、今年の5月に一時入院していた。ウバウドの死に対し、ジウマ大統領は「わが国は文学界の巨匠を失った」とし、その死を悼んだ。