10月の大統領選で、ジウマ大統領を追う対抗馬の一番手と目されているアエシオ・ネーヴェス候補(民主社会党・PSDB)の身辺に関する疑惑が報じられた。ミナス・ジェライス州知事時代(2003~10年)に、親類の私有地に公金を使って飛行場を建設したというもので、まずフォーリャ紙が19日にスクープし、翌20、21日には伯字各紙も報じた。
19日付フォーリャ紙によると、アエシオ氏はミナス・ジェライス州知事の二期目の終わる2010年に、州都ベロ・オリゾンテから150キロ離れたクラウジオ市に飛行場を1400万レアルかけて建設した。それが同氏の大叔父で、元同市市長だったムシオ・ギマリャンエス・トレンチーノ氏(88)所有の農園に建設されたという。
この土地の所有者の名義には、ムシオ氏の3人の子息のほかに、アエシオ氏の祖母のリゾレッタさん(03年死去)の名義もある。リゾレッタさんは、ブラジルが軍政から民政に復帰する決め手となった1985年の大統領選挙で勝利したタンクレード・ネーヴェス氏の妻で、ムシオ氏はリゾレッタさんの弟にあたる。
ムシオ氏の息子のフェルナンド氏によると、この空港は最低でも週に1回は稼動している。同空港から6キロの地点にはアエシオ氏自身が所有する土地があり、同氏が年に6~7度ほど同市を訪れる際には、必ず同空港を使用するという。
この報道により、親類の個人私有地に公的資金を利用した疑いを持たれたアエシオ氏は20日、遊説先のセアラー州でこの件に関して問われ「PSDBからマスコミ宛に文書で詳細を語った」と語り、「民間運営のための手続きもやっている。断じて公的資金の流用ではない」と語った。
そのPSDBからの文書によると「空港に使った土地は2010年に州が100万レアルで買い取った」とし、「新しく作ったものではなく、20年以上も前からあった〃滑走路〃の改築工事として作ったもの」。アエシオ氏が2010年当時に行なっていた「ミナス州の空港プロジェクトの一環として行なった」と記してある。この〃滑走路〃は、タンクレード氏が存命で、ムシオ氏がクラウジオ市長だった時代に建設されたという。
同文書によると、アエシオ氏は、空港近くに自身の農園がある疑惑を否定し、「祖母とムシオ氏の3人の子息のものであり、先祖代々5代続いてきた一族の私有地である」とした。
だが、民間航空監督庁(ANAC)によると、同空港が民間運営と見なすための資料の提出が不足しているという。ANACによると、同空港が従業員のいないまま運営されていることも問題だという。同空港の1キロに及ぶ滑走路は、約50人までの小型旅客機なら使用可能とのことだ。
フェルナンド氏は「まだ、公的な土地にするための手続きが終わってなく、便宜上、私たちの土地になっているだけだ」と主張している。