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セルジッペ州=建設中のアパートが崩壊=下敷きの一家奇跡的に3人生存

 19日未明、セルジッペ州で建設中だった4階建てアパートが崩壊し、そこで生活していた一家が生き埋めになった。救出作業が34時間にわたって行なわれ、3人は生き延びたが生後11カ月の幼児は死亡した。21日付伯字紙が報じている。
 19日午前1時45分頃、セルジッペ州アラカジュー市南部にある建設中の4階建てアパートが突如崩壊した。この崩壊で、1階部分に宿泊していた建設作業員のジョゼヴァウド・ダ・シウヴァさん(24)をはじめ、妻のヴァニセさん(31)、長女のアネ・ガブリエルちゃん(8)、長男のイタロちゃん(11カ月)の一家が瓦礫の下敷きとなった。
 間もなく消防隊と市の警備隊がかけつけたが、瓦礫の撤去が困難をきわめ、同日の夜には国家警備局も救出に加わったが、それでも作業は手こずった。
 というのも一家がアパートの梁の下になり、その梁の上に瓦礫が載った状態になっていたためだ。一家は床と梁のあいだのわずか30センチの間隔の中に挟まれた状態で、救出隊はこの梁を取り外すことが出来なかった。
 結局、34時間後の20日午後12時頃に、救出隊は梁に直径40センチの穴を削って開けるのに成功し、そこからアネ・ガブリエルちゃん、ジョゼヴァウドさん、ヴァニセさんを順に救出した。だが、イタロちゃんがかなり弱って発見され、すぐに病院に運ばれたが、到着前に息絶えた。残りの3人は入院したが、健康状態は安定している。
 ジョゼヴァウドさんはこのアパートの建設作業に参加したアラゴアス州の作業員だったが、2カ月の作業中にホームシックになり、一家がジョゼヴァウドさんの元に訪れていた。その際、一家が宿泊費を捻出できなかったため、建設中のアパートに寝泊りすることが特別に許されていたという。宿泊は3日間の予定だった。
 このアパートは2012年に建設許可が下りており、工事に違法性はなかったという。