リオの観光スポットとしては随一ともいえるリオのキリスト像の肖像権を持つリオの大司教区本部が、映画「Rio, Eu te amo」(リオよ、君を愛してる)の劇中エピソードの中で、キリスト像が現われることを許可した。
この映画はリオを舞台にした短編オムニバスで、06年公開のフランス映画「パリ、ジュテーム」、その後のニューヨーク編「ニューヨーク・アイラブユー」(09年公開)の続編。大ヒットした「トロッパ・デ・エリーテ」のジョゼ・パディーリャ、日本でも公開された「汚れた心」(伊原剛志主演)のビセンテ・アモリン、「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレスなど、気鋭のブラジル人監督11人が参加している。
キリスト像が出てくるエピソード「Inútil Paisagem」(意味のない風景)には、ハリウッド映画にも出演し、ブラジルを代表する俳優の一人であるヴァギネル・モウラがハンググライダーで空を飛び、キリスト像に向かって街が抱える社会問題を訴えかけるシーンがある。
今年4月、大司教区本部は「名誉を侮辱するもの」としてキリスト像の映画での使用を許可しなかったが、再検討した結果、一転して今回の判断に至った。ヴァギネルが演じる登場人物の台詞について、「うつ状態の人物が内面をぶちまけるもので、宗教を攻撃するものではない」と解釈したという。
パディーリャ監督は「(許可を知って)安心した」と話しているが、「このキリスト像の肖像権がどこかの団体によって制限されることがあっていいのだろうか?」と問いかける。
22日付フォーリャ紙は、リオのエドアルド・パエス市長が、リオ大都市圏の枢機卿オラニ・テンペスタ大司教に対し、同監督への使用許可を求める依頼をしたと報じている。
映画「Rio, Eu te amo」は9月11日から上映開始予定だ。(22日付フォーリャ紙より)
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