いよいよ選挙戦が本格化する中、与党内の連立関係が危うい状態にあるようだ。連邦レベルでは労働者党(PT)の最大のパートナーである民主運動党(PMDB)が、この10月の統一選挙の州知事選においては、全国の選挙民の75%を占める地域で、両党が対立候補を出して争う状態にあり、両党の蜜月関係が州レベルでは崩れつつあると21日付エスタード紙が報じている。
ジウマ大統領主導の政府案に、PMDB議員らが反対しはじめた2012年頃から「PT離れ」は囁かれていたが、今年はエドゥアルド・クーニャ下議が「ブロコン」と呼ばれる反ジウマ派の派閥を組んで以来、さらに顕在化した。
その影響は10月の統一選挙でも如実に現れている。2010年の選挙では、PTがPMDB候補を支持する州が7州(全国選挙民の30%)、PMDBがPT候補を支持する州は2州(同2%)、両党が組んで他党候補を推薦する州が5州(同15%)と、合計して47%の票田で共に選挙を戦った。
今年の場合、PTがPMDB候補を支持する州は6州(1州減)、全国の選挙民に占める割合で見れば、わずか11%になった。それは、トカンチンス州など比較的小さな州でしか支持を行なっていないからだ。
一方でPMDBがPT候補を支持する州は3州(1州増)、選挙民の14%相当と増えた。それはフェルナンド・ピメンテル前開発商工相が知事選に出馬するミナス・ジェライス州が加わったためだ。ただし、両党が組んで他党候補を推すパターンはゼロとなった。その結果、今回の選挙で両党が共闘する州は選挙民でいえば25%しかなく、サンパウロ州やリオをはじめとした75%(前回は52%)の17州の票田で対立して議席を争うこととなる。
PMDBは今回の大統領選でもミシェル・テメル氏を10年の選挙時同様にジウマ氏の副候補として臨むが、PMDB党内の承認は59%にとどまった。10年の際には85%が賛同していた。
同党内では、ジウマ氏最大の大統領選での対立候補のアエシオ・ネーヴェス氏の民主社会党(PSDB)と組むべきだとの声まであがっていた。実際、PMDBは02年の大統領選の際にはPSDBと組み、ジョゼ・セーラ候補の副候補にリタ・カマタ氏を副候補に送り込んでいる。
一方、エドゥアルド・カンポス氏が大統領選挙に出馬することで、13年に連立与党から完全に離れたブラジル社会党(PSB)もPT離れが顕著だ。10年選挙時には、両党が協力しあう州が17州、選挙民の49%相当と、同年選挙時のPMDB以上の連立体制をとっていたが、今回の選挙で連立を組む州はわずか3州。目立つのはロマーリオ現下議(リオ州、PSB)の上院選出馬をPTが推薦することぐらいだ。
また、10年にPTとPSBが対立して戦った州は8州、選挙民の51%に過ぎなかったが、今回は21州、88%の票田で議席を争う。
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