今月24日から30日まで、「第9回ラテンアメリカ映画祭」がサンパウロで開催される。その名の通りラテンアメリカ諸国の最新映画が公開されるイベントで、今回は市内9カ所の会場で114作品を上映の予定だ。
中でも23日付エスタード紙が特集を組んでいるのは、ブラジル版の「ハムレット」(2014年、90分)。言わずと知れた16世紀の英国人劇作家シェイクスピアの大傑作で、デンマーク王子ハムレットが主人公だ。愛、憎しみ、裏切り、復讐といったテーマに迫る悲劇で、複数の映画版があるが、ブラジルでもオズアルド・カンデイアスという監督が「Herança」(遺産)というタイトルで映画化している。
今回上映されるブラジル版ハムレット映画はインディーズ系の映画監督クリスティアノ・ブルラン、エンリケ・ザノニがメガホンを取って製作したが、少し風変わりな作品に仕上がっている。
「450年も前に生まれ、既に世界的に知られた作品。イギリス人が作るハムレットは、伝統的に登場人物の台詞が長いけど、僕とエンリケの中では(原作とは異なる)別のハムレットがいたんだ」とブルランさんは語る。
舞台はサンパウロ中心部。登場人物はハムレット、恋人のオフェーリア、殺されたハムレットの亡霊など原作と同じだが、登場人物の台詞に加え、彼らを演じる役者も、役者として台詞を発するという。つまり劇中劇のような構成で、原作のストーリーの現代版が、サンパウロの街中で展開されるというものだ。「シェイクスピアが紡いだ台詞にというより、劇中で起こる出来事の方により忠実になった」と明かす。
映画は開幕日24日午後8時から、Cine Sesc (住所=Rua Augusta, 2075 – Cerqueira César)で上映される。
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