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パサデナ製油所=TCUが11人を告発=PB元総裁やコスタ氏らも=ジウマ大統領は咎めなし=「経営審議会は無関係」

 連邦会計検査院(TCU)は23日、ペトロブラスが2006~12年にかけて行なった米国パサデナ製油所買収が不当な高額で終わったことに関し、同公社に7億9230万米ドル(約16億レアル)の損害をもたらしたとして、当時この買収に関与していた11人に有罪判決を下した。だが、当時の経営審議会議長だったジウマ大統領はこの件に関する責任追及を免れた。24日付伯字紙が報じている。

 2005年にベルギーのアストラ社が4250万米ドルで買収したパサデナ製油所を、翌06年に3億6千万米ドルで半分買収した際、残りの半分も8億8550万米ドルで買い取らなければならなくなるような契約を交わした件に関し、TCUが契約にたずさわった同公社の11人を有罪とし、1年間の資産の差し押さえを命じた。
 各人の責任の重さや損害額の確定は今後の作業として継続される。TCUのジョゼ・ジョルジ長官によると、同件に関する裁判は今年中に終わると見ている。
 TCUは、有罪とした11人のうち、ジョゼ・セルジオ・ガブリエリ元総裁、ネストル・セルヴェロー元国際部部長、パウロ・コスタ元供給部部長の3人がパサデナ製油所の買収に関して深く関与した重要人物としてみている。中でもコスタ氏は、今年3月、全国規模で起きたマネー・ロンダリング事件を摘発した「ラヴァ・ジャット作戦」で、主犯の闇ブローカー、アルベルト・ユセフ容疑者の共犯者として逮捕(後に人身保護令適用で釈放)されている。また、同製油所買収の件での判断に関し最大の責任を負っていたのはセルヴェロー氏だ。
 その一方でTCUは、同製油所が2006年に50%の買収を決めた際に、経営審議会の議長をつとめ、買収賛成の判断を出していたジウマ大統領に関しては告発の対象から外した。
 ジウマ大統領は今年3月に製油所買収に賛成していたことが発覚した際に、共同経営者との関係が悪化した場合には全てを買収することを義務づけた「プットオン契約」などが、最終決定の会議時に提出された契約内容の概要に書かれていなかったと主張していた。今回のTCUの判断は、結果的に大統領の主張をのんだ形となった。
 ジウマ大統領を責任追及の対象者に含めなかったことについて、ジョルジ長官を議会調査委員会(CPI)に召喚したいと考えている議員たちから、圧力をかけられたのかと問われた長官は、「そのような圧力は感じていない」と答え、無関係を主張した。
 同日は、連邦検察庁のロドリゴ・ジャノット長官も、パサデナ製油所買収で経営審議会が果たした役割について調査するための要望書を取り下げた。連邦総弁護庁(AGU)のルイス・イナシオ・アダムス長官も「経営審議会はこの問題には関与していない」との見解を示している。