【既報関連】医薬品や医療用の資材の供給が止まり、22日から救急外来の対応などを停止したサンパウロ市セントロのサンタカーザ病院が、23日夜から対応再開と24日付伯字紙が報じた。
救急外来での対応停止は、薬やゴム手袋、注射器といった必需品の供給が止まり、患者への適切な対応は困難との判断によるもので、23日には急を要しない手術や検査もキャンセルされた。
事態を重く見たサンパウロ市保健局は23日午前、基本的な医療資材の提供を申し出たが、病院側は「焼け石に水」と断った。サンパウロ州保健局も300万レアルの緊急支出を打診したが、病院側はこれも「不十分」と断った。
州保健局は同日午後も病院側と協議を重ね、病院側の運営実態を知るために連邦、州、市の担当者も交えた公聴会を開く事を条件に300万レを即刻支出。供給会社への負債を公聴会後に清算出来るよう、特別支出継続を申し出て、救急外来再開の約束を得た。
州政府の緊急支出は同日中に行われ、午後9時50分に医療資材を乗せたバン3台が到着。5分後には門が開き、ラ米最大の非営利の民間病院の救急外来が再開された。
だが、再建の道は険しい。最高責任者のカリル・ロッシャ・アビダラ氏は、人員整理も必要だが退職金支払の問題もあり、解雇は容易ではないと発言している。
サンタカーザ病院は全国に少なくとも200ある。サンパウロ市セントロの病院は20世紀初頭からサンパウロ州の主要な医療機関に数えられており、今年の予算は13億レ。08年は7千万レだった負債額は4億レに達しており、負債返済のために受けた融資の返済利子だけで月300万レが必要だ。
昨年中の連邦政府と州政府からの支出は4億1400万レで、月平均3400万レを受け取った事になる。両政府は今年も1億7300万レを支出済みで、公的機関からは月2千万レしか入って来ないとの病院側の発言とのズレも指摘されている。同病院が過去4年間に集めた寄付は1100万レで、自助努力の不足を説く声もあるようだ。
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