サンパウロ市民のあいだでは、この5年間で一軒家からアパートに移り住む人が増え、市内ではアパート居住者が37%に達したと27日付エスタード紙が報じている。
この数字はアパートの運営会社であるレロ社が報告したもので、サンパウロ市では2008~13年の5年間で一般住居用の高層ビルが1千棟建てられ、21万人のサンパウロ市民が一軒家から移ったため、アパート居住者が市民のうち37%を占めるようになったという。
アパート居住者が増えた理由としてエスタード紙は、「安全」と「手間のかからなさ」をあげている。同紙の取材に答えた人は「アパートの方が庭の手入れなどを気にしなくてよい」「高齢になったら一軒家の階段の上り下りはつらい」「アパートに住んでいると、家にひとりでいるときに襲われる恐怖感を感じなくてよい」などの意見をあげている。
現在サンパウロ市には2万1千棟のアパートがあり、そこで徴収される共益費(コンドミニオ)の総額は年間1320億レアルに上るという。この額はパラナ州クリチーバや南大河州ポルト・アレグレといった州都の都市の年間予算さえ上回る数字となっている。
市内でのアパートの分布状況を見ると、最も多いのは南部の47・3%で、続いて西部33・4%、東部11・5%、北部7・8%となっている。またサンパウロ市のアパートは、1棟当たり70世帯が住んでおり、門番や管理人など6人の従業員をかかえている。
また、アパートに住む人たちの新しい習慣として、1回につき2~3時間かかる居住者間での会合があげられるが、今回の調査のうち、60%の居住者がこれらの会合を無視しているという。だが、こうした会合では時に駐車スペースの割り当てなど大事な用件も話し合われるため、そうした場合には80%の住人が参加しているという。
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