ブラジルを代表する「文学の祭典」として知られるパラチー国際文学祭(FLIP)が30日からリオ州パラチーで開催されている。29日付伯字紙が報じている。
FLIPでは毎年、ブラジルの文学史を代表する作家を選んでメインテーマとし、その作家に関する講演会を開幕イベントとして行うのが通例だ。
だが、12回目を迎える今年のFLIPは少し趣向が違う。それは今年のテーマに選ばれたミロール・フェルナンデス(1923~2012)が非常に多彩な才能で知られた人物だからだ。新聞や雑誌のジャーナリストとして有名なミロールは、作家、翻訳家、風刺詩人、そして挿絵画家としても知られている。
そこで今回のFLIPは、文芸評論家ではなく美術評論家のアギナルド・ファリアス氏による講演で幕を開ける。「ミローはブラジルを代表する画家でもあり、その画風はピカソやパウル・クレーの影響を受けている」とファリアス氏は語る。
それに続き、ブラジルを代表するコメディ・グループ「カセッタ&プラネッタ」のコメディアン、レイナウドとウベルトが、ミロールの友人の風刺画家ジャグアルへのインタビューやディスカッションを行なう。レイナウドは青年時代にミロールが創刊した風刺新聞「オ・パスキン」などを通してミロールに心酔。「たった2ページの中にイラストから詩、政治風刺までを展開する。あれぞ、表現の自由だ。ミロールこそが自分の表現活動の原点だ」と語っている。
今年のFLIPはこの他にも、国内外の作家やジャーナリストを集めたイベントが満載だ。8月1日には「軍政50年」と題し、長期に渡り行方不明とされてきたルーベンス・パイヴァ元下議の息子でジャーナリストのマルセロ・パイヴァ氏の講演が行なわれる。また同日は現在の米国を代表する女流作家ジュンパ・ラヒリの講演もある。
FLIPは8月2日まで開催されている。
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