全国工業連盟(CNI)主催の大統領候補の公開質問会(サバチーナ)が7月30日に行なわれ、ジウマ大統領(労働者党・PT)、アエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)、エドゥアルド・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)が参加した。大統領は現政権や経済状況に対する「悲観主義(ペシミズム)がある」として現政権を肯定したが、対立候補は共通した見解を少なからず持つことも示しつつ、大統領とは異なる見解を表明した。7月31日付伯字紙が報じている。
今回のサバチーナはカンポス氏、アエシオ氏、ジウマ氏の順番で行なわれ、それぞれ、30分間の演説後に会衆からの質問を受けるというやり方で進められた。
今回の公開質問を見る限り、アエシオ氏とカンポス氏の主張には共通点が少なくなかった。2人が産業面での公約として掲げたのは「インフラ投資を増やす」ことで、アエシオ氏は「インフラへの投資額を現在の国内総生産(GDP)の18%から24%に上げたい」とし、カンポス氏は「官民合同プロジェクト(PPP)に投資し、インフラ部門のGDPでの割合を2・5%から5%に上げたい」と語った。
また、外国との貿易に関してもアエシオ氏とカンポス氏は似た見解を見せた。アエシオ氏は「米国と欧州」、カンポス氏はその二つに中国を加えた形で貿易を強化すると主張し、さらに「南米共同市場(メルコスル)が足かせになっている」点でも一致した。これに対しジウマ大統領の見解は米国と欧州の関係も守るが、ラ米の国との貿易の必要性も強く説いた。
また、野党候補2氏は現在の内閣の大臣の数を減らしたいとした。カンポス氏はその数には言及しなかったが、アエシオ氏は「半減させたい」と語った。ジウマ氏はこの件に関し、「人種平等や人権問題などでどうしても必要な役職がある」などとし、大臣数が増えた理由を弁明した。
一方、ジウマ大統領は、2003年ルーラ政権以降の約10年で労働者人口が10倍になったことをあげ、岩塩層下油田の石油開発に伴う船舶業界の投資は2020年までに1千億米ドルに達するとの見解も示した。また同大統領は、28日に大統領官邸で行なわれたサバチーナ同様、ブラジルの経済に関して「悲観主義(ペシミズム)が存在する」と語り、「連邦政府が電力カットを行なうといった噂が流れたが、それは起こらなかったし、今後も起こらない」と語った。
また、それに付け加えて噂されている増税に関しても「選挙前に流れるペシミズムのひとつだ」として否定した。これは、その前に発言した2候補の発言に応える形にもなった。カンポス氏は「10月までは上げないだろうが、電力の状況を考えれば選挙後に電気代を上げるはずだ」と発言し、アエシオ氏は電気代に加え、「ペトロブラスの現在の状況から行けば燃料代も上がるはずだ」と語っていた。
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