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Ambevの売上90%増=それでも株価は4%下落

 ブラジル有数の飲料メーカーのAmbevが7月31日に、第2四半期の収益は21億6700万レアルで昨年同期比88・9%の増収と発表したが、同日のサンパウロ証券市場では同社の株価が4%余り下落した。
 同社の収益が90%近く伸びたのはいわずと知れたW杯効果だが、市場はこの程度の増収では満足せず、同日の証券市場での同社株は2番目に大きな幅で下落した。
 同社株が下落した原因の一つは、ブラジルの国内市場が第2四半期に11・3%の伸びで終わった事だ。この間の収益は総額52億5800万レアルとなったが、市場ではW杯の開催でもっと大きな収益が生まれる事を望んでいた。
 また、W杯期間中の同社のマージンは予想されたものより小さかった。同社では、W杯で需要が増えた最中も「値上げのないW杯」という公約を守って価格を凍結していた上、同期間中は経費が大きい缶ビールの消費が増えていた。
 また、ブラジル以外のラテンアメリカ諸国ではW杯効果はなく、アルゼンチンの景気の落ち込みなどの影響で、ラ米南部での第2四半期の収益は11億5200万レアルで終わり、昨年同期比で13・8%落ち込んだ。
 ラ米南部での落ち込みは、ビールで5・4%、非アルコール飲料で3・1%となっている。
 ブラジル・ビール製造者協会によると、第1四半期の生産量は昨年同期比で12%増えていたが、上半期の生産量は10・5%の増加に止まっている。この傾向は年末まで続き、年間の生産量は4%程度の伸びで終わると見られている。この数字はマイナス2・5%で終わった昨年よりはましだが、2005~13年の平均成長率である6%を下回る。
 ビール製造者協会のパウロ・ペトロニ会長は、「(負債を抱える国民が増えたりして)消費に回せる所得は減っており、どんなに小さな値上げも販売量の減少に繋がる」とし、W杯終了で、財布の紐を緩める要因がなくなった中での値上げは困難と見ている。
 Ambevは増税以外の理由では値上げ幅はインフレ率以下という方針を貫いており、業界も、9月からの税率引き上げを先延ばしするよう、政府に働きかけている。(1日付エスタード紙より)