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PTを除名されたモウラ聖州議
PTを除名されたモウラ聖州議

PT=モウラサンパウロ州議を党から除名=PCCとの関与発覚で=バス社連で資金洗浄疑惑も=本人否定し法廷闘争へ

 労働者党(PT)サンパウロ州支部執行部が7月31日、サンパウロ州議員ルイス・モウラ氏の除名を決めた。同氏は今年3月、州都第一コマンド(PCC)と会合を持った事実が発覚していた。サンパウロ州最大の犯罪組織で暴力犯罪の脅威でもあるPCCとの関与は、PTにとっても頭痛の種だった。1日付伯字紙が報じている。

 モウラ氏は3月17日、サンパウロ市東部のバス会社トランスクーパー社でPCC構成員を含む集団と会議を行なっている姿を市警に目撃された。市警は、この会議に参加した人物の一人がサンパウロ市でのバス焼き討ち事件に関与しているとの疑惑に関する捜査だった。
 この捜査は、サンパウロ州の組織犯罪特別対策班(Gaeco)が2010年からはじめていた、サンパウロ市東部の企業連合(コンソーシアム)「レステ4」がPCCのためにマネー・ロンダリングを行なったという疑惑捜査にもつながるものだった。
 レステ4はヴィアソン・イマライア、ヴィアソン・ノヴォ・オリゾンテ、ハッピー・プレイ・ツリズモの3社からなる連合で、2007年に市東部でのバスの運行を認められた。Gaecoは2010年に、PCCのためのマネー・ロンダリング疑惑で同連合の捜査をはじめた。
 モウラ氏は捜査開始の時点でハッピー・プレイの理事をつとめていた。検察はレステ4の関係者7人を告発したが、その時点では同氏の名前は含まれておらず、その年の選挙でサンパウロ州議員に当選した。だが、その後の捜査で、ハッピー・プレイの住所の一つは肉屋、別の住所はPCC構成員との会議に使われたトランスクーパー社の車庫であることが判明。モウラ氏と同氏の兄でサンパウロ市市議会議員のセニヴァル・モウラ氏はトランスクーパー社のソーシオだ。
 この件を重く見たPTは6月2日、モウラ氏の党員資格を60日間差し止めると発表した。モウラ氏はPCCとの関与を否定、この件に関する正式な取調べを受けていないことや州議員就任後は何の告発も受けていないことなどを理由に党の処分を不服とした。
 PTからの差し止めが明ける直前の7月30日に、地裁はモウラ氏の処分を解いた。これによりモウラ氏は州議員の再選出馬が可能になったが、それを防ぐべくPT執行部が除名を決めた。この決定は1日開催のサンパウロ州支部理事会での承認後に有効となる。
 モウラ氏はPTによる除名を不当として裁判に訴える構えで、地裁の判断次第では出馬の可能性も残されている。だが、PTのエミージオ・デ・ソウザサンパウロ州支部長は「捜査の結果などを待つまでもなく、ソウザ氏はすでにPTの名誉を傷つけ、わが党からの出馬がふさわしくない人物とした」と語っている。
 PTサンパウロ州支部からは10月の選挙でアレッシャンドレ・パジーリャ氏が知事選、エドゥアルド・スプリシー氏が再選のために上議選に出馬する。
 モウラ氏は1992年にサンタカタリーナ州のスーパーマーケット襲撃事件で12年の実刑判決(1年半で脱走)を受けた前科もある。