ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)が4日、エスタード紙主催の公開質問会に出席した。その席で同知事はカンタレイラ水系の水不足に伴う大サンパウロ市圏での給水制限の可能性を改めて否定、サンパウロ市地下鉄のカルテル問題やサンパウロ州での犯罪問題などについて語った。5日付エスタード紙が報じている。
知事候補を招いての質問会はジャーナリスト3人や会場からの質問を受ける形で行なわれ、初日のアウキミン知事は改めて給水制限の可能性を否定した。同知事は「サンパウロ水道公社(Sabesp)が現在やっている対策で、少なくとも来年初頭までの水は大丈夫だ。給水制限をやれば必要以上に水を溜め込む人が現れ、水の無駄遣いを止めようと呼びかけてきた文化的な取り組みも水泡に帰す」と語った。
知事は続けて「Sabespが現在やっている〃節水した家庭には水道代を割引く〃システムは、36時間給水、72時間断水という給水制限と同等の効果があり、市民が断水で困ることもない」と語った。
Sabespが深夜に水圧を下げるために一部地域で夜間に水が出なくなっていることに対しては、「以前からやっていることだ。7月19日から8月2日までのSabespへの苦情は昨年よりも減っている」とした上、「水問題が、知事選で自分の足を引っ張るために利用されている」と不満を漏らした。
また、90年後半の契約に端を発したサンパウロ市地下鉄建設に伴うカルテル問題に関しては、経済防衛行政審議会(Cade)に報告を行なったカルテルの中心企業、シーメンスへの疑念を表しながら「この件に関しては、州政府は被害者だ」とした。Cadeの中枢は労働者党(PT)関係者が占めている。
一方、現在3レアルの地下鉄料金と4・65レアルのバスと地下鉄の乗り継ぎ料金に関しては、「年内の値上げはないが来年以降の料金はインフレ次第で、据え置きは確約できない」と語った。
治安に関しては「17年前のサンパウロ州は10万人当たり35件の殺人事件が起き全国ワースト5だったが、昨年は10万人当たり10・5件でベスト2になった」と功績をアピール。「毎日が犯罪との戦い」と強調し、州都第一コマンド(PCC)は「永遠に制圧されるべき存在だ」とした。
薬物問題に関しては「サンパウロ州は最も治安に金を使っているのにクラックとコカインの使用量が世界一だ。サンパウロ州では製造していないのに誰が持ち込むんだ」として、連邦政府を批判した。だがフェルナンド・ハダジサンパウロ市市長による薬物中毒者の更正プログラム「ブラッソス・アベルトス」は評価した。
また、サンタカーザ病院が財政破綻を起こして機能停止に陥った問題に関しては、連邦政府による資金の流れが滞ったことを批判した。
今回の質問会参加者からは「わかりやすく応対し、知事になる準備もできている」と評価する声が目立ったが、一方で「問題となっていることに〃自分は無関係〃と言いたいようにも見えた」との意見もあった。
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