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進捗状況を話し合うために集まった実行委員会や連邦、州、市当局のメンバー(J.P. Engelbrecht/ PMRJ)
進捗状況を話し合うために集まった実行委員会や連邦、州、市当局のメンバー(J.P. Engelbrecht/ PMRJ)

リオ五輪まで2年切る=イベントの実を残せるか=目標はメダル数10位以内

 2016年8月5日に始まるリオ五輪まで2年を切った。競技施設関係の事業では52のプロジェクト中71%が入札終了や着工済みとなったが、全体の事業を見ると完成したものは24%に過ぎず、実の残るイベントとするには今後の取り組みが大切と5日付伯字紙が報じた。
 リオ五輪開催まで2年を切った今、国際オリンピック委員会(IOC)などが真っ先に気にするのは、競技会場や選手村などの施設の建設や改修の進捗状況だ。競技施設はマラカナン地区とコパカバーナ地区(競技村)とバーラ・ダ・チジュッカ地区(オリンピック公園)、デオドロ総合会場の3会場に分散しており、グアナバラ湾では3~9日、テストイベントとしてのヨット競技も開催されている。
 4日に開かれた現地実行委員会(OCB)や連邦、州、市の当局者による会議で確認された事業経費は、高速バスや湾岸道路、軽量車両、地下鉄などのインフラ関連(27事業中24事業)で241億レ、競技施設関連(52事業中24事業)で56億4千万レ、ユニフォームや宿泊費、スタッフの移動費、スポーツ用品などの運営費で70億レの計367億4千万レとなっている。
 今後入札されるものもあり、金額はまだ確定出来ていないが、民間事業で必要となる資金の半分以上は連邦貯蓄銀行などの公的銀行からの融資となるという。
 五輪で動く金は現時点でも6~7月に開催されたW杯の約1・5倍。開催都市は1市(サッカーの試合はサンパウロ市、ベロ・オリゾンテ、ブラジリア、サルバドールでも開催)でも、その規模は参加選手1万500人(W杯は736人)、入場券数700万枚(W杯は310万枚)、競技施設37(W杯は12)などW杯以上だから、より入念な準備や配慮が必要だ。
 また、W杯前の諸準備が遅れ、インフラなどW杯後も利用出来るはずだが実行されずに終った事業がある事などを他山の石とする事や、若い選手を育てる事を求める声も上がっている。
 リオ五輪の目標はメダル数で上位10位以内とされ、300~400人の選手団で臨む意向だ。昨年開催された世界選手権では全種目合わせて27のメダルを獲得しており、現役選手だけでもある程度の成績は期待されるが、現在注目されるのは、水泳の100メートル自由形の世界記録保持者マテウス・サンタナや体操のフラヴィア・サライヴァらも参加し、16~28日に南京で開催されるユース五輪だ。
 自国開催ゆえのプレッシャーに対する備えも含め、最大の努力と細心の配慮を持って、南半球初の実のある五輪開催が望まれている。