サンパウロ市の路上にある消火栓のうち、火災が起きた際の消火能力があるものはわずか10%しかないと、5日付エスタード紙が報じている。
消防署がサンパウロ州検察局の要請で調べたところ、サンパウロ市に6375個あるとされている消火栓のうち、948個を調査したところ、42%にあたる394個は所在がわからなくなっていた。さらに、全体の25・5%にあたる243個は機能せず、216個は機能していても問題があることがわかった。これらのものを全て差し引くと、問題なく機能するものは結局、全体のわずか10%にあたる95個しかなかった。
マルコス・ヴィニシウス・モンテイロ・ドス・サントス検事はこの結果を問題視し、「サンパウロ市は火災が起こった際に非常に脆弱な状況がある」と判断。今週中にサンパウロ市とこの問題に関する会合を持ちたいとしている。
この報告を7月16日に受けた軍警のエドゥアルド・オウムス中佐は、消防隊の出動時には放水車も同伴しなければならないことと、それが意味することを改めて認識した。「サンパウロ市の交通事情を考えれば、常に放水車を伴って出動するのがどれだけ大変かも理解できるだろう?」とマルコス検事は問いかけている。
だが、このような結果が出たにもかかわらず、誰が消火栓の管理責任を持つかが法制化されていないのが問題となっている。管理団体として考えられるのは消防署かサンパウロ州水道公社(Sabesp)だが、両者とも消火栓は自分たちの管轄ではないとし、責任がたらいまわしにされている。
サンパウロ州水道公社広域都市局開発計画部のマルセロ・シャビエル・ヴェイガ部長によると、サンパウロ市と結んだ消火栓の設置契約には保守サービスの条項は入っていないという。ヴェイガ部長はサンパウロ市内には消火栓が7681個あるはずと発言しており、「消火栓の数さえきちんと登録されていないのだから、管理ができていないのも当然だ」とマルコス検事は語っている。
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