サンパウロ市は5日、市内全18カ所の教育機関を対象とするサービスを請け負う入札(プレゴン)で「カルテルが疑われる」として、1日付の官報に発表された落札結果を無効とした。6日付エスタード紙が報じている。
今回の入札はサンパウロ市内の12カ所の学校と6カ所の統合教育センター(CEU)の計18カ所に対する清掃などのサービスに関するもので、7月25日に入札が行なわれ、1日の官報に結果が掲載されていた。
この入札が無効となった決め手は、7月25日の電子入札開始より1時間半前に、結果を知らせる電話やメールが流れていたことや、企業間で競争が行なわれた形跡が認められなかったためだ。
カルテル疑惑の調査にあたったサンパウロ市監督局(CGM)によると、各学校やCEU毎にサービス価格を争う企業の数が少なく、各企業が提示した金額も大差がなかった。CMGのマリオ・ヴィニシウス・スピネッリ氏によると「入札額はいずれの箇所でも同じような額だった」という。
また、参加した15企業はいずれも最低1地区で落札しており、18カ所中7カ所は、入札前に流れた結果情報と同じ企業が落札していた。
カルテルとは、同一業種の企業が競争を避けて利益を確保するために、事前に価格設定などを行なうものだ。
入札結果の無効化はフェルナンド・ハダジサンパウロ市市長の事務室内で開かれたセーザル・カレガール教育局長らをまじえた会議で決められた。今回無効となった入札は2カ月以内に再度行なわれるが、新たな結果が出るまでのサービスは、現在と同じ企業が現行の金額で継続することになる。
今回の入札でのカルテル疑惑が確認された場合は、サンパウロ市では初の「汚職対策法」適用となる。同法では、カルテル参加企業には最大で年収の20%の罰金を課すことになっている。