「ここまで丁寧な支援学級は日本国内でも珍しい」。援協が展開するPIPAを訪問した日本の現役教師から、そうした称賛があった。指導員には心理療法士などを揃え、それが充実振りに表れていた。
ただPIPAは極端に整った例だ。自閉症に対するブラジル内での関心は未だ低く、その分野の専門家・三枝たか子さんも、「日米に比べかなり後進」と心配を寄せる。
しかしこの交流会で援協の菊地義治会長から、「保健省による自閉症の障害者認可に向けて、着実に歩みがある」と明るい報告も。ブラジル内での地位がより確立されれば、JICA側も人材派遣などしやすいと、協力的な姿勢を見せる。
投薬治療が当たり前の当地では、極力薬を使わないPIPAのやり方は先駆的な存在だ。百万人とも言われる障害児童を救うきっかけになるかもしれない。(祐)