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サンパウロ州=携帯電話狙う強盗増加=生活習慣を変える市民も

 サンパウロ州保安局が2日、上半期のサンパウロ州では、歩行者を襲って携帯電話や書類、現金を盗む強盗が多発したと発表した。
 サンパウロ州(以下、サンパウロ州)やサンパウロ市(同、サンパウロ市)では、銃を突き付けて金品を要求したり力づくで奪ったりする強奪事件(Roubo)が13カ月間連続して増加中だ。今年の1~6月はサンパウロ州で29・5%、サンパウロ市で38%増えており、6月はサンパウロ州では1時間に35件、サンパウロ市では1時間に18件の強奪事件が起きた計算になるという。
 歩行者が盗まれたものの筆頭は携帯電話で、強奪事件の57%で携帯電話が盗まれた。また、歩行者を狙った強奪事件の17%は携帯電話だけを狙っていたという。
 販売員のカロリーネ・ロペス・ビニャルディさん(19)はサンパウロ市北部の地下鉄カランジルー駅を出、母親に買ってもらったばかりの携帯電話を操作しながら日本文化市に向かっていたところ、若い2人組が近寄ってきて「携帯をよこせ」と叫んだという。恐る恐る携帯電話を渡したカロリーネさんはそれ以降、人前では携帯電話を使わず、必要な時は店などに入って電話するなど、より警戒するようになった。
 サンパウロ市南部ジャルジン・アエロポルトに住むメラニエ・オリヴェイラさん(25)は、犬を散歩させようとアパートから降りて来たところでバイクに乗った二人組に襲われて携帯電話を奪われた。メラニエさんは「今度からは家に携帯電話を置いて近くの公園まで車で行き、散歩させる。そうでなければ誰か一緒に行ってもらう」という。
 携帯に次いで被害が多いのは書類の54%だ。この場合の書類には身分証明書や運転免許証、銀行のカードやクレジットカード、デビットカードが含まれる。最近は現金を持ち歩くのは危険だからとカードだけ持って出かける人も多く、盗んだカードで現金を引き出したり買い物をしたりする事件も多発している。
 カード類を盗んだケースは強奪事件の9%で、現金を盗まれた事件の10%にほぼ匹敵。但し、現金だけを盗む事件は全体の3%のみだった。
 一方、6月のサンパウロ州では自動車を狙った強盗事件が昨年同月比では2・5%、5月比では9%減少した。自動車を狙った強盗事件は強盗殺人事件につながる事も多い。
 州保安局によると、サンパウロ州での強盗事件の20%は車を狙っている。また、7%は信号待ちなどの時に車に近づき、車内にいる人の所持品を奪うケースだという。
 ヴィラ・マリアナで武装した男に襲われ、Volvo車を奪われたクラウジオ・デナニさん(26)は、夜8時頃に事務所に着き、車から降りて門を開けようとしたところで銃を突き付けられ、鍵を渡せと言われた。車の中には携帯電話や衣類などもあったが、車ごと何もかも持ち去られ、同地区で新しい店を開けようという計画を検討しなおしていると言う。
 サンパウロ市南部ジャバクアラの学校に4歳の娘を迎えに行ったネイデジャネ・フェレイラ・バンデットさん(38)も、車を降りたところで銃を突き付けられ、車もカバンも持ち去られたという。(3日付エスタード紙より)