書類上に２人の父の名？＝「実父も養父も僕のパパ」＝独身男性が養子をとる例も

　８月の第２日曜は「父の日」だったため、１０日付伯字紙は様々な形で「父」を巡る話題を取り扱っている。
　フォーリャ紙は「出生証明書に父親の名前が二つ書かれるケース増加」の題で、実父と養父（実母と養母）が子供と良好な関係を保ち、出生証明や身分証明書（ＲＧ）などを作り直す例などを紹介。母親が１人で父親が２人（またはその逆）の場合、裁判を経ずとも登記出来るよう法制化を求める動きもあるという。
　ロンドニアの裁判所が１２年３月、実父と養父の双方を父親として認める判断をした例は、一緒に暮らしている父親が実父ではないと知った子供が、書類を作成し直す際に養父か実父の一方の名前しか記載出来ないと言われて、「どっちも僕のお父さんだ。両方の名前を残してよ」と泣き出した事がきっかけだ。
　同様の例は全国１２州で１８件ある。２番目の父親（または母親）の登録承認は子供の姓の変更や養育費受給、遺産相続なども可能とする。どちらかの親の保健プランへの加入も可能となる。
　１年前結婚した女性の連れ子のエドゥアルド君（４、仮名）が幼稚園で「僕には父さんが２人いる」と話していると聞いたジョアンさん（仮名）は、少年が毎週実父のルイスさん（仮名）に会いに行くのを認めていたが、１０年後にエドゥアルド君を養子認定したいと実父に申し入れた。
　ルイスさんは合意したが、裁判官は少年が実父と養父の双方を「お父さん」と呼んでいるのを見て、二人の名前を出生証明に記載する事を提案。パラナ州では初の判例のため、登記所が出生証明やＲＧの訂正に難色を示し、裁判官の援助を要したが、父親２人と少年はこの決定を喜んだ。
　エスタード紙は独身男性が養子を迎えた例を掲載。２年前、ボランティア弁護士として働いていた施設で９歳と５歳だった女児と４歳の男児の３兄弟と接する内に３人を養子とする事を決めたエリオ・ペラス・デ・オリヴェイラさん（現３１）は、養子縁組希望者台帳（ＣＮＡ）に登録された３万１６００組中、０・６％しかいない独身男性の希望者だ。新しい環境に適応し、子供達の世話をするため個人の弁護士事務所を立ち上げ、住居や生活様式を変えたりしたが、オリヴェイラさんは後悔していない。
　０７年にペドロ君（現１５）、４年後に弟のグスターヴォ君（同１２）を養子としたクリスチアン・エインリクさん（４１）は、養子縁組を決意してから申請までの２年間に家の改修や養子縁組希望者との会合出席などの準備を重ねたという。
　専門家は、子供達に注意を向ける単身の父親に家族間の関係確立は家族構成以上に大切だとアドバイスしている。