ここ数年のブラジルの経済状況の特徴は「低成長、高インフレ」だが、経済の専門家たちはこの状況が少なくとも2018年いっぱいまで続くと予想していると、12日付フォーリャ紙が報じている。
この予測は中央銀行(BC)が毎週発表している市場調査「フォーカス」によるものだ。同調査では通常、該当年とその翌年(今なら14年と15年)の経済予測のみを発表するが、BCのサイトでは4年先まで予測した内容を閲覧できる。
11日に発表された最新版のフォーカスの報告によると、14年と15年の国内総生産(GDP)の予想は前週の0・86%(14年)と1・50%(15年)からさらに下がって0・81%(14年)と1・20%(15年)となっている。
この予想に従うと、15年にスタートする次政権は、最初から経済の低成長という問題に直面することを余儀なくされるが、アナリストたちは、15年には公共料金や政府が統制をしている物品の価格が7%程度まで上がるとも予測している。
13年は電気代の値下げが行なわれ、公共交通機関の値上げもマニフェスタソンの影響でわずか1・52%の値上げしか行なわれなかった。また、14年も選挙年ということで、公共料金の目立った値上げは行なわれていないが、ペトロブラスの経営悪化から燃料価格の値上げは必至と見られ、ジウマ大統領も時期こそ明言していないものの値上げをほのめかしている。だが、ギド・マンテガ財務相は大幅な値上げを否定しており、他の大統領候補も同様の意向を既に示している。
ただ、BC側の予想では、経済活動が停滞しているため、公共料金などの調整が直ちにインフレ昂進(政府目標の上限である6・5%を超えること)を招くことはないという。13年に記録した5・91%程度と見られていた今年のインフレは、政府目標上限に近い6・5%前後で推移しており、15年も大きな変化はないと見られている。現時点での18年の予想は5・28%で、政府目標の4・5%に達するのは難しそうだ。
経済基本金利(Selic)は今後、最大で12%まで上がる可能性があるが、その後は少し引き下げられ、18年の時点では10%程度まで下がると予想されている。また、今後はドル高が若干進み、18年には1ドル=2・61レアル程度になる見込みだという。
GDPに関しては14年を底として15年に1%前後、16年からは2%以上の成長をみるようになると考えられているものの、その上昇はわずかなもので、18年も3・00%に達するのがやっとと見ている。仮にBCが予想したとおりに経済が進めば、次政権は現在のジウマ政権よりは高い成長を記録するが、平均で4%台の成長を記録したルーラ政権には及ばないものとなる。
みずほ銀行ブラジル支部のルシアノ・ロタグノ戦略部長は15年以降の連邦政権に関し、「経済減速に陥ることなく、金利や税のバランスを取っていくことが大切になるだろう」と語っている。