2013年6月に全国に広がった抗議行動後、若者が非政党主義の政治参加を望む傾向が強まったと10日付エスタード紙や12日付アジェンシア・ブラジルが報じた。
若者の政治参加への意欲の高さは1970年代の学生運動などでも充分発揮され、昨年来の抗議行動にも、若者の参加が圧倒的に多かった。
だが、選挙高等裁判所が7月29日に発表した情報によると、任意で選挙権を取得した16~17歳の有権者は163万8751人で、2010年選挙時の239万1352人比31%減だ。同年代の人口に占める有権者は26%のみだ。
この数字は2002年と2006年の37%や2010年の36%に比べると、明らかに小さい。地方選の場合、2008年が42%、2012年が43%だから、その差はなおの事大きい。
しかし、16~17歳の青年達は、任意の有権者減少は若者の政治や変革への意識が薄れた事を意味しないという。むしろ、既成政党や政権への批判、変革意識が非政党主義と結びつき、既成政党に加わって政治改革というやり方から脱却しようとしているという。
こういった意識は、13年の抗議行動拡大の発端となった無賃乗車運動(MVPL)や、米国のウォール街で起きた占拠運動などに表れている。
変化の必要に目覚め、自分達も声を上げる事が出来ると知った若者の全てが何を変えるべきかを知っている訳ではない。しかし、既成政党が設立当時の理念を忘れて政権維持に躍起になり、選挙に勝つための連立に走る姿は、政党主義への不信感を高めている。
既成政党への不信感が若者に限らない事は、13年3月のダッタフォーリャ調査で53%を数えたいずれかの政党に所属または支持という人が、今年の調査では40%を切った事でも明らかだ。
政党主義は民政復帰以来、常に大勢を占め、2007年のIbope調査でも非政党主義者の倍を数えたが、今年5月のダッタフォーリャ調査では60%がどの政党も支持しないと回答。特に南部では4人に3人、また女性の68%は支持政党を持たないという。
ブラジルの政党意識の変化は若者にも伝播し、両親に説得され、W杯開催日の6月12日に行われた抗議行動の場から離れた学生のレナン・バウディさん(16)は「投票する事で何かが変わるなら(投票は)禁じられているはずだ」と発言。彼の両親も「義務でなければ投票しない」という。
パラナ州在住のガブリエル・ピエッチさんとサメル・フセインさん(共に16)も、「自分の票は何も変えない。僕らの学校ではほとんど誰も選挙権をとらなかった」と証言している。
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