カンタレイラ水系やアルト・チエテ水系の水位低下が連日のように騒がれるサンパウロ州だが、水不足は内陸部でも水運、工業、農業などに深刻な影響を及ぼしていると13日付エスタード紙が報じた。
サンパウロ州北西部アラサツーバではチエテ-パラナ水路が干上がり、貨物船が今年上半期に扱った積荷の量は639万トンから233万トンに減った。水運業の損失は少なくとも2億レアルとされ、サントス港に向かう大豆その他の産品は、経費が高い陸上輸送を余儀なくされている。
給水制限が行われている19市では4月以降3千人以上が失業しており、サンパウロ州工業連盟は工場などで使う水もカットされた事などが人員整理に繋がったと見ている。
2月初旬から厳しい給水制限がしかれているソロカバ地方イトゥ市は、新しい住宅の建設許可を120日間停止。許可停止が長引けば、建築現場の作業員の解雇も起こりうる。ソロカバ地方での給水制限の影響は200社以上に出ている。
農業関係では灌漑用水の不足も深刻で、1日1回だったトウモロコシへの灌漑を3日に1回にした農家もある。州全体ではカフェの収量が25%減り、サトウキビや小麦も各10%の減産。ブラガンサ・パウリスタではトウモロコシの収量が半減し、南西部のイタペヴァでは7千ヘクタールのフェイジョン畑への灌漑が困難な上、ジーゼル油や電力料金の値上りで生産コストも上昇中だ。チラピアの養殖者は水槽の数を減らしており、オレンジ栽培農家者も減産が避けられないという。