サンパウロ州海岸部のサントス市で13日午前10時頃、7人乗りのセスナ機が墜落。現場では同日から14日にかけ、大統領選候補の一人だったブラジル社会党(PSB)のエドゥアルド・カンポス氏らの遺体の回収が徹夜で行われた。
科学警察の鑑定官、アントニオ・ノゲイラ氏は14日午前10時前、遺体の回収はほぼ終わり、現場では9時半からは最後の確認作業が開始されたと発表した。
セスナ機は墜落前後に爆発しており、搭乗者7人は全員即死。完全な形での遺体回収は困難で、各部分を集めた袋は11に上る。遺体はサンパウロ市の法医学研究所でDNA鑑定や歯形の鑑定などを行って身元を確認した後、遺族らに手渡される。市警のアウド・ガレアノ警部によると、遺体の一部は14日の昼過ぎ(12時20分頃)にも見つかったが、回収された遺体の身元の鑑定は2~3日中に終わるという。
セスナ機は両翼をほぼ垂直に立てた状態で市街地に墜落したとされ、タービンの一つは壁に穴があいた民家の二階部分から発見された。現場からはカンポス氏の財布やドクメントなども回収されたという。
現場では遺体の回収と並行して機体の回収も行われ、カイシャ・プレッタと呼ばれるボイスレコーダーも見つかった。胴体部分の両脇にある燃料タンクは衝突のショックで爆発したのか、それとも何らかの理由でそれ以前に発火していたのか、機械類に故障が起きたかなどは調査中だ。この事故では事故機が突っ込んだとされる地面に直径7メートルのくぼみが出来た他、事故機の一部が接触して屋根が壊れたり、近くのビルのガラスが爆風で割れるなど、十数軒に被害が出た。墜落事故で地上でもケガをした10人は全員軽傷だった。事故で損壊したりして自宅に戻れなかった住民は約50人いた。(14日付G1サイト、アジェンシア・ブラジル、フォーリャ紙、エスタード紙などより)