ロドリーゴ・ジャノット連邦検察庁長官は15日、ブラジル国内に住む難民を社会に統合し、インクルージョン(国の公共政策に取り込み社会の構成員として包み支え合うという理念)を実践することを保証するために関係機関の間で連携を取ることを定めた覚書を、国連難民高等弁務官事務所(Acnur)との間で交わした。
この覚書では検察庁と国連の間で調査計画、事例研究、情報交換などを行うことも定められた。これによって、保健、社会福祉サービスの利用などを通じた社会への統合が保証され、必要書類の発行などの事務手続きの簡素化など、難民がブラジルに根を張って生活するための支援が実現することが期待されている。
ジャノット長官によれば、ブラジルにいる難民の数は過去4年で800%増えた。2010年の申請数は556件だったものが2013年には5256件に膨れ上がっており、今年も1~4月だけで1938件の難民申請があった。調印後の記者会見で、「今日調印した覚書は既にブラジルと国連の間にある関係を書面で取り決めたもので、(覚書は)ブラジル国民の資質を表すもの」とした。
市民権が専門のアウレリオ・リオス連邦検察官は「難民申請の審査を見直し、改善する必要がある」との考えを示す。「難民申請者がブラジルに来たのは、仕事もせずにただこの国に居ついているためではない。彼らだってブラジルで職を得て生計を成り立たせていきたいと考えているはずだ。そうだとすれば、彼らがブラジル社会に統合された瞬間から、ブラジル人と同じ権利を持つのは当然であり、受け入れておきながら質の高い公教育やSUS(統一医療システム)の恩恵を与えないというのは筋道が通らない」と話した。(15日付G1サイトより)