エドゥアルド・カンポス氏の急死を受け、ブラジル社会党(PSB)が大統領選にどう臨むのかに注目が集まっている。大勢は副候補のマリーナ・シウヴァ氏を推している状況だが、問題となるのはPSBの現党首とサンパウロ州支部長であると15日付伯字紙が報じている。
マリーナ氏の昇格を強く望んでいるのは、まずカンポス氏自身の身内だ。カンポス氏の実弟で弁護士のアントニオ氏も14日「(カンポス氏が出馬できなくなった場合に)マリーナ氏が大統領候補になることが兄の本意だったと私は確信している」と文書で声明を発表した。
だが、フォーリャ紙によると、それ以上にPSBに影響力を持っているのは妻のレナータさんの存在だという。レナータさんはカンポス氏がこれまで行なった全ての決断に影響力を持っていたと言われており、PSB側もそれを承知しているという。レナータさんはカンポス氏の通夜や葬儀で多忙な状況で大統領選に関して公に語っていないが、友人や内輪の人たちによるとマリーナ氏の昇格を望んでいるという。
そうしたことから、PSB内部ではマリーナ氏を大統領候補に推す声が強くなっている。マリーナ氏に関しては、昨年10月に新党「持続ネットワーク」(RS)の設立承認が得られなかったために、大統領選出馬のための党籍変更期限ギリギリにPSBにすべりこんだ経緯があった。だが、党内の有力者からはロドリゴ・ロレンベルグ上議、べト・アルブケルケ下院リーダー、副候補説が出ているミナス・ジェライス支部長のジュリオ・デルガド下議らがマリーナ氏擁立に賛成の意向を表明している。ただし、マリーナ氏の昇格には、州単位で結ばれた連立には口出ししない事が条件となる見込みだ。
また、PSBと連立を組む社会大衆党(PPS)、自由祖国党(PPL)、人道主義連帯党(PHS)、進歩共和党(PRP)、社会自由党(PSL)もマリーナ氏を立てることで問題がないとしている。
だが、PSBのロベルト・アマラル現党首とマルシオ・フランササンパウロ州支部長の2人がマリーナ氏擁立に難色を示している。アマラル氏はPSBがジウマ政権との連立を継続することを望んでいた人物として知られている。また、ジェラルド・アウキミンサンパウロ州知事(PSDB)の副候補として出馬しているフランサ氏は、PSDBとの連立を拒み続けるマリーナ氏の強い反対にあったため、同氏に良い感情を抱いていない。
一方、ルーラ前大統領は14日、アマラル党首と既に会話を行なったことを明かした。それはPSB側に大統領選への立候補を取りやめさせることを進める目的もあったというが、ルーラ氏はそれでもマリーナ氏が大統領候補として出てくることになると踏んでいる。
ルーラ氏はマリーナ氏とも話がしたいと語っている。ルーラ氏は「PT(労働者党)の設立メンバーで、私の政権時の大臣でもあった彼女のことは尊敬している」としている。
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