ブラジルの発掘隊がパラナ州で約8千万年前に生息したと見られる恐竜の化石47体を発見し、かなり貴重なものとして話題を呼んでいる。15日付エスタード紙が報じた。
発見されたのは、「翼竜」と呼ばれる、翼のついた恐竜で、中世代と中世代のあいだの時期の約8700万年~7500万年前に生息したと見られるものだ。発見された場所はパラナ州北西部のクルゼイロ・デ・オエステで、実に47体もの骨が発見された。
翼竜が内陸部で発見されることはきわめてめずらしく、このようにまとまった量の化石が発見された例は中国とアルゼンチンにあるだけだ。前史時代の翼竜の化石がパラナ州で発見されたのも初めてで、ブラジルでの翼竜の化石は北東部のシャパダ・ド・アラリペで発見されていただけだった。
これらの骨はサンタカタリーナ州マフラにあるコンテスタード大学の古生物センター(センパレオ)とリオ連邦大学国立博物館の考古学者チームによって研究され、その成果は雑誌「Plos ONE」で発表された。
国立博物館のアレッシャンドレ・ケルネル氏は「様々な年齢で大きさも異なる(翼を広げた幅は65センチ~2・35メートル)同種の翼竜の化石が発見されたことは本当に貴重だ。これにより、この種の翼竜がどういう進化を遂げたかを解析することが可能になる」と語っている。
また同氏は「この翼竜は二足歩行をしていた動物と鳥類のあいだの失われた種類のもので、翼を使って飛び始めた初期段階の動物だ」として、化石発見の意義を改めて語っている。
センパレロのルイス・ウェインシュッツ氏によれば、「400平米あると思われる遺跡の20平米分を掘り、厚さ約1・5メートルの砂岩の地層の中から約5トンの化石を収集した」という。調査員たちは、この翼竜は南米大陸とアフリカ大陸が分かれた直後の白亜紀のもので、砂漠に点在する泉に生息し、低空飛行をしていたと見ている。