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大統領選=新陣営での支持率調査=浮動票マリーナ氏に動く=決選もジウマ氏と引き分け

 ブラジル社会党(PSB)の大統領候補だったエドゥアルド・カンポス氏が13日に急逝後、初の大統領選支持率調査で、マリーナ・シウヴァ氏が一次投票ではアエシオ氏、決選投票ではジウマ氏を僅差で抑え、引き分けたと18日付フォーリャ紙が報じた。
 マリーナ氏出馬の正式決定は20日に開かれるPSB首脳会議後だが、14、15の両日にダッタフォーリャが行った大統領選の支持率調査は、ジウマ氏(労働者党:PT)36%、マリーナ氏21%、アエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党:PSDB)20%、その他候補5%、白紙/無効票8%、わからない9%という結果となった。
 7月15、16日の調査でのジウマ氏とアエシオ氏は36%と20%で何も変化がないが、今回から対象となったマリーナ氏は、7月時点のカンポス氏の8%を大きく上回る支持を得た。
 今回のマリーナ氏とアエシオ氏の差は1%ポイントで統計上の引き分けだ。前回の大統領選挙でも有効票の19%を獲得し、既に知名度が高かったマリーナ氏にカンポス氏の支持票が加わった。
 7月の調査では計8%の支持を得たキリスト教社会党(PSC)のパストール・エヴェラウド氏他の候補支持率は計5%に低下。白紙/無効票は13%から8%、わからないも14%から9%に減った。これはいわゆる浮動票がマリーナ氏に動いた事を意味する。
 カンポス氏急逝後、国内外の新聞は一斉に、マリーナ氏が出馬するであろう事と決選投票はやむなしとの見方を報じていたが、今回の調査はそれを改めて裏づけた。
 また、ジウマ氏対マリーナ氏の場合の決選投票はマリーナ氏47%対ジウマ氏43%で、統計上は引き分けだが、数の上ではマリーナ氏がリード。PT首脳がマリーナ氏との決選投票は避けたいとしていた懸念が現実のものとなりかねない。
 一方、ジウマ氏対アエシオ氏での決選投票の場合は47%対39%でジウマ氏がリード。7月は44%対40%で統計上の引き分けだったが、今回は差が開いた。
 マリーナ氏に支持票を投じた人は、従来からの支持者と昨年6月から続く抗議行動で不満を表明していた人の双方を含んでいるようだ。カンポス氏が最後のインタビューで語った「ブラジルを諦めない」との言葉は「他候補が充分に手を伸べていない教育や保健衛生、交通運輸、公共サービス、経済成長、インフラなどにも力を注ぐという意向の表れ」との同党書記の言葉を字句通り受け止めるなら、改革を旗印としたカンポス氏の遺志を継ぐマリーナ氏の存在感はまだ膨らみそうだ。