ホーム | 日系社会ニュース | ウチナー魂、一世紀迎え=カンポ・グランデ 沖縄移民百周年盛大に=慶祝団70人も共に祝福=母県と交流、新たな一歩に
高良副知事から表彰状を受け取るカンポ・グランデ沖縄県人会の玉城ジョルジ元会長
高良副知事から表彰状を受け取るカンポ・グランデ沖縄県人会の玉城ジョルジ元会長

ウチナー魂、一世紀迎え=カンポ・グランデ 沖縄移民百周年盛大に=慶祝団70人も共に祝福=母県と交流、新たな一歩に

 南麻州カンポ・グランデ市が沖縄県移民入植百周年――。1914年、サンパウロ州と南麻州を結ぶノロエステ線の敷設工事終了とともに、工事に携わった県民の一部が住み着いたのが始まり。今では市の日系人1万5千人のおよそ7割が県系人と言われる。母県から高良倉吉副知事や喜納昌春県議会議長ら約70人の慶祝団が祝福に駆けつけ、14日夜、同地沖縄県人会主催で盛大に記念式典が開かれた。ノロエステ線の駅舎跡近くの公園には百周年記念碑も建立され、前日に除幕式もあった。一同は先人の労苦に感謝を捧げるとともに、同市と沖縄の交流活発化に向けて思いを新たにした。


 アメリコ・カリェイロス州文化財団会長、ジョージ・タカハシ市議会議長、在聖総領事館の飯田茂領事ら多くの来賓をはじめ、約600人が会館に参集した。ハワイ、ボリビア、サンパウロからも多数の慶祝団が出席した。
 志良堂ニウトン会長は沖縄移民の歴史を紹介し、「移民がもたらした勤勉、正直などの伝統は、今も息づいている。困難にも負けず子弟を教育し、様々な分野で活躍している」と先人への感謝を込めて挨拶。
 喜納県議会議長は「県系人の政財、教育、法曹界などあらゆる面での活躍は、同胞の誇り、喜び。県議会としても友好のため最大限の努力をしたい」と力強く述べた。
 ジェオルジ・タキモト州議は「沖縄は移民を送り出したことを心から誇りに思うべき。移民たちは国の発展に役立ち、市民から尊敬されている」と話した。
 高良副知事は仲井眞弘多県知事の挨拶を代読し、「先人が長い年月を通じて継承したウチナーンチュ文化が開花していることは、大きな誇り」と述べた。
 続いて県人会から慶祝団の代表者に記念プレートが手渡され、母県からは功労者5人および80歳以上の高齢者110人に表彰状が贈られた。
 ダンスや太鼓など余興の後、会場を移して晩餐会に。翁長雄志那覇市長の「カリー」の威勢のよい音頭で乾杯後、和やかに歓談しながら夜更けまで食事を楽しんだ。
 宮城久和・国頭村長(71、国頭村)は「どこにいても助け合いながら生きていく沖縄の『ちむぐくる』の精神を感じた。異郷の地でも伝統を根付かせ、ブラジルの人といい国を作っている。県民を受け入れてくれた市の皆さんにも感謝」と同胞の発展を喜んだ。