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政見放送昨日からはじまる=ジウマの時間数圧倒的=前回より怖いマリーナ猛追=3候補共にカンポス氏追悼も

 10月の統一選挙に向けた政見放送が19日からはじまった。大統領選の有力候補であるジウマ氏(労働者党・PT)、アエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)、マリーナ・シウヴァ氏(ブラジル社会党・PSB)の政見放送の傾向について19日付伯字紙が報じている。

 今回の大統領選の政見放送で最も多くの時間帯を獲得しているのは現職のジウマ氏で、全体で25分の放送時間のうち、11分24秒を確保している。政見放送の持ち時間は、前回の下院議員選挙での議席獲得数に比例して政党の持ち時間が決められるため、連立する政党が多ければ多いほど有利になる。
 2位のアエシオ氏は4分35秒、マリーナ氏が2分3秒で続いている。現時点での支持率で4番手のエヴェラウド氏(キリスト教社会党・PSC)は1分10秒で、他の7候補の合計の持ち時間は7分18秒になる。
 ジウマ氏は前回の10年選挙より45秒長い時間を確保しているが、決して安心できない状況にいる。それはPSBの候補だったエドゥアルド・カンポス氏が急死したことで、前回3位だったマリーナ・シウヴァ氏が出馬することになるからだ。マリーナ氏の出馬は今日20日に正式発表される見込みだが、マリーナ氏はカンポス氏が急死した直後に行なわれたダッタフォーリャの調査でいきなり21%の支持率を獲得している。
 ジウマ氏にとってマリーナ氏が怖いのは、前回10年の選挙の際も終盤で急追をかけてきたことだ。10年8月に政見放送が始まる直前のダッタフォーリャのアンケートでのマリーナ氏の支持は10%に過ぎなかったが、いざ選挙本番では、全投票数の17・7%、有効票の19・3%まで支持を拡大していた。
 今回の場合、マリーナ氏は出馬が正式発表される前の段階で既に21%の支持を得ており、同氏の政見放送の割当時間も前回より40秒多い。カンポス氏支持者の同情票など、飛躍する要素もより強くなっている。
 ジウマ氏の放送では、ルーラ元大統領も直々に登場し、「(ジウマ氏の)2期目はもっと良くなる」とのアピールをする予定だという。
 一方、アエシオ氏の持ち時間は前回選挙でジョゼ・セーラ氏に割り振られた7分18秒より大幅に減り、PSDB候補の割当としては98年選挙以来、最短となったが、アエシオ氏は「変革へようこそ」と政治改革をアピールすることで選挙を戦う意向だ。
 また、マリーナ氏のPSBはカンポス氏の死とかけて「ルット(喪)であり、ルッタ(戦い)だ」とのアピールを行なう意向だという。カンポス氏に関しては、ルーラ氏が自政権で若くして大臣に抜擢して目にかけていたこと、アエシオ氏も祖父が共に歴史的な政治家で、駆け出しの頃からお互いに面識があったことから、PT、PSDB共に、政見放送ではカンポス氏追悼の時間もとるという。