サンパウロ州政府は今週末、遅れに遅れていたサンパウロ市内を走るモノレール(15号線)の一部運行を開始する見込みだ。
このモノレールは本来なら昨年末に完成する予定だったが、ワールドカップ前に延期されていた。ようやく試運転の運びとなったが、それでも開通するのは一部だ。
現在完成しているのはサンパウロ市東部のオラトーリオ駅とヴィラ・プルデンテ駅だけで、実質的に2駅間の3キロ弱のみが開通となる。建設はボンバルディエ社が担っているが、州都市交通局のジュランジ―ル・フェルナンデス局長は完成が遅れた理由として、「国際基準を遵守しているため」と説明している。
国際基準ではモノレール運行の承認までに300時間の空白運転と呼ばれる運行を要求する。空白運転では一般客を乗せずにシミュレーションを行うが、ボンバルディエ社は既に300時間の空白運転を行ったが、安全証書をまだ受け取っていない。
電車が停止した時のプラットフォームと電車のドアの間の距離は、最大でも20センチである必要がある。この路線では40センチまで開く箇所があるにもかかわらず、ジュランジール局長は「運転上の危険はない」としている。
一般客が利用できるようになるのは、地上から約15メートルに建てられた2路線の同時運行が可能となった時という条件もある。片方の路線では1カ月の空白運転期間中に短絡事故(ショート)が1度起きており、修復作業後のコンピューターのリセットが必要だという。
先に挙げた2駅間は9月末までの毎週末、乗客を乗せた運行を行うが、9月中は無料で利用できる。料金の徴収は10月からの予定だ。
モノレールは1回の運行で1千人を輸送することができ、完成すればその全長は26・6キロ(18駅)となる。15号線(銀)はメトロの2号線(緑)との相互乗換えが可能だ。(19日付G1サイトより)