2013年のサンパウロ州立の高校生の学力はこの6年で最低と20日付エスタード紙が報じている。これはサンパウロ州教育到達度評価システム(SARESP)が毎年行なっている調査で判明したものだ。
それによると、州立高校の3年生のポルトガル語と数学のレベルは2008年以降で最低だった。SARESPではポ語で300点、数学は350点を「望ましい(学年相応)」としているが、13年はポ語が262・7点、数学が268・7点でいずれも前年を下回った。ここ6年間の最高点は、ポ語が274・6点(09年)、数学が273・8点(08年)だ。
だが、その一方、州立校の5年生(小学校)の学力を調べたところ、13年はポ語が199・4点、数学が209・6点で、共に08年以降での最高点を更新している。ポ語に関して言えば「望ましい」とされる200点に迫る勢いだった。
だが、それが基礎課程最後の9年生(中学3年に相当)になると、高校3年生同様、過去6年で最低の成績を記録している。13年はポ語226・3点、数学242・6点で、「望ましい」とされるポ語275点、数学300点を50点近く下回っている。
これらの結果にサンパウロ総合大学(USP)のオシマール・アラヴァルセ教授は、ジェラルド・アウキミン知事が主導する州政府による教育制度がうまく機能していないと指摘。現行のカリキュラムを見直す必要があると語っている。
また、この現象はサンパウロ州に限ったことではなく、全国規模で起こっていることから、エンリケ・パイム教育相も現行の教育制度の見直しを訴えている。同教育相は「学年相応の学力が身についている公立高校生は8%しかいない」と語っている。