20日にブラジル社会党(PSB)がマリーナ・シウヴァ氏を、13日に急死したエドゥアルド・カンポス氏に代わる大統領候補に正式に選出したことで、党の内外で軋轢が生じていると22日付伯字紙が報じている。
PSBの内乱の最初の火種は、カンポス氏と深いつながりがあったことで知られる同党の選挙参謀のカルロス・シケイラ氏が同職を降りることを明言したことだ。
シケイラ氏は、マリーナ氏が選挙参謀の要となるメンバーに、同氏が昨年結党しようとして承認されなかった新党・持続ネットワーク(RS)のヴァルテル・フェルディマン氏らを選んだことを不満とし、20日にもたれたシャッパ公表前の会議中に「参謀を降りる」と言って立ち去った。シケイラ氏は、「マリーナ(の思想や政策)はエドゥアルドが築き上げてきたPSBとは程遠い」と批判している。
PSBの選挙参謀チームからは、遠征担当で元レシフェ市副市長でもあるミルトン・コエーリョ氏や、渉外担当のエンリケ・コスタ氏も職務を降りる見込みだ。
また21日、PSBはブラジリアで、大統領選でカンポス氏を支持していた政党の代表者を集めて会議を行ない、4政党からマリーナ氏支持を得たが、かねてから難色を示していた社会自由党(PSL)は会議に参加せず、離脱が確実と見られている。
シケイラ氏の辞意が固いと見たPSB幹部は21日夜、フェルディマン氏と共に大統領選の選挙参謀を取りまとめる役としてルイーザ・エルンジーナ下議が加わることを発表した。元サンパウロ市市長でもあるエルンジーナ氏はマリーナ氏の古巣である労働者党(PT)の先輩議員で、同氏と深いつながりのあることで知られている。
また、大統領選の参謀チームのひとりでイタウ銀行の経営一族のひとりとしても知られているネカ・セツバル氏は、22日付フォーリャ紙の取材で、マリーナ氏とカンポス氏は「中央銀行の独立性を強化し法律で明文化する」件などで意見を異にしていたが、本来の自分の意見とは異なっていた問題もカンポス氏の考えを尊重し、明文化する意向を表明したという。キャンペーン中に財界関係者にもアピールしていくことになると語っている。そうすることで、財界で強い影響力を誇ったカンポス氏の支持者の信頼を得るのが目的だ。
一方、PSBのサンパウロ州支部長でジェラルド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)の副候補のマルシオ・フランサ氏は、22日付エスタード紙の取材で、マリーナ氏が強い拒否反応を示しているPSDBとの連立に関し「彼女が決選投票で(現職の)ジウマに勝ちたいなら、もっと前向きに考えるべきだ」と語った。
これは、仮に大統領選がジウマ氏とマリーナ氏の決選投票になった場合に、(PSDBの候補の)アエシオ氏のマリーナ氏支持が必要となるとの考えからの意見であるが、フランサ氏は「彼女だってジウマに勝ちたがっているわけだから、受け入れるはずだ」と語っている。
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