約4500人の従業員を抱えるサンパウロ州内陸部タウバテ市のフォルクスワーゲン工場では25日、10日間の集団休暇が始まった。現在は管理部門のみが機能している。休暇に入った人数は明かされていない。
今年に入ってブラジル国内の自動車業界は売り上げが落ち込んでいる。各メーカーは生産活動を控える措置を次々に取っており、この集団休暇もその一環だ。
全国自動車販売協会(Anfavea)によれば、今年前半の自動車生産台数は17・4%(前年同期比)、使用登録台数はそれぞれ8%低下した。
同協会は後半の巻き返しを期待しているが、新車販売台数は昨年と比べて5%以上後退するとみている。
ワーゲン社では既に5月、レイオフ(一時的な解雇)の実施を発表しており、同時期にPSAプジョーシトロエングループも自主退職制度の導入を伝えた。他にもフィアット、フォード、ヒュンダイ、ルノー、スカニアなどが今年に入って集団休暇を実施している。
また、GMのサンジョゼ・ド・カンポス工場では26日、7月末に会社側から提案されていた金属工930人のレイオフが、従業員組合の会合で承認された。レイオフは9月8日から始まる予定で、対象となる人数は明かされていない。GMといえばメアリー・バーラCEOがブラジルを訪問し、65億レの投資計画を発表したことが記憶に新しいが、サンジョゼ工場はその対象に入っていないという。また、この計画そのものは、一時的な生産縮小措置とそれに伴う解雇やレイオフを取り消す理由にはならないとされている。
サンジョゼ工場では現在、約5200人が働いているが、昨年12月には1千人の従業員が解雇されており、組合はこれ以上の解雇が起きることを懸念している。
同工場では2015年から16年にかけて自社ブランド・シボレーの新製品の生産が開始される予定だが、ブラジルGMは先週、2013年に発表された新製品生産のための25億レアルの投資計画が実行されるか否かは米国本部の決断待ちと発表してもおり、今後の動向に一抹の不安が残る状況だ。(26日付フォーリャ紙等より)