宮崎県人会(高橋久子会長)がモジ市立劇場「CEMFORPE」で25日夜、『高千穂の夜神楽 ブラジル特別公演』を行なった。前日の『県人移住百周年および県人会創立65周年式典』に派遣され、ブラジルで初となる一般公演に臨んだ10人の舞手は、約500人の観衆を楽しませた。
「創立式典だけでなく、日系人の多い地域でも」という互いの願いから、モジ市での一般公演が実現。昨年10月に事故死した谷広海前県人会長の強い希望を汲み、日本側で発起人となった丸山裕次郎県議(45、宮崎)は、「式典での公演では、幕開けしたときに涙が出そうだった。谷さんの思いを果たすことが出来た」と充実の表情。会場を見渡し「予想以上に多くの市民が足を運んでくれ感謝」と喜んだ。
本来、33演目を一晩かけて奉納する神事だが、「戸取りの舞」「ご神体の舞」など、厳選5演目を披露した。伝統芸能の理解に不安を抱く舞手だったが、場内には多くの拍手が響いた。市内在住の山本マルシオさん(43、二世)は「非常に美しい。初めて見たが、独特の雰囲気や昔ながらの日本感じた」と笑顔で話した。
派遣団唯一の海外公演経験者だった甲斐晃一郎団長(78、宮崎)は、「感無量、大満足の出来。県人関係者、一般市民向けに披露できた。継承のため若手にとっても励みとなった」と、貴重な機会を喜んだ。