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イボッピ=マリーナが一気に大躍進=出馬直後に支持率29%=決選投票でジウマ破るとも=TV討論会でも強い存在感

 マリーナ・シウヴァ氏(ブラジル社会党・PSB)が正式に大統領候補となってから初のイボッピによる大統領選の世論調査の結果が発表され、マリーナ氏の支持率が29%まで躍進し、決選投票まで持ち込めばジウマ大統領(労働者党・PT)に勝利するとの予想も出ている。27日付伯字紙が報じている。

 今回のイボッピの調査は23~25日に行なわれたもので、マリーナ氏の大統領候補繰上げにより、各候補の支持率が大きく動いた。
 前回3~6日の調査で38%だったジウマ氏は34%に落ち、前回2位のアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)の支持率も、23%から19%に落ちた。
 一方マリーナ氏は、前回9%だったPSBの前任候補で13日に飛行機事故で急死したエドゥアルド・カンポス氏を大きく上回る29%の支持率を獲得。アエシオ氏を抜いて2位に浮上した。
 また、キリスト教社会党(PSC)のエヴェラウド氏、社会主義自由党(PSOL)のルシアナ・ジェンロ氏も各々、1%ずつの支持を得た。
 これでますます決選投票は避けられない状況になってきたが、決選投票のシミュレーションではマリーナ氏がジウマ氏を45%対36%で上回り、統計上の誤差を差し引いてもマリーナ氏が勝つという展開となった。
 ジウマ氏対アエシオ氏でシミュレーションした場合は、前回の42%対36%とほぼ同じ41%対36%で、ジウマ氏の勝利との結果が出た。
 この結果が発表された直後の26日夜、バンデイランテス局が今回選挙では初となる、大統領候補7人を集めた公開テレビ討論会を行なった。
 そこでもマリーナ氏は強い存在感を示した。同氏はジウマ氏に、「13年6月の全国的なマニフェスソン以降の対策がうまく行っていないのではないか」と指摘した。それに対しジウマ氏が「自分の出した対策5カ条はうまく行っている」と答えると、マリーナ氏は「あなたが描いて見せようとする虹色のブラジルは庶民の日常には存在しない」と断言。さらに「政治改革と銘打って大臣を代えているだけに過ぎない」と批判した。
 ジウマ氏はマリーナ氏との対決を避けてアエシオ氏に質問を振り、カルドーゾ元大統領時代のPSDB政権とPT政権を比較。2大政党による対立図式を強調しようとしたが、「カルドーゾ氏への手紙でインフレ対策などを賞賛したのは誰だったのか」と切り返した。
 一方、アエシオ氏はマリーナ氏に、「あなたはサンパウロ州元知事でPSDBのセーラ氏には色よい返事をしたのに、再選を目指すアウキミン氏の選挙戦応援を拒んでいる。あなたの主張は矛盾しているが、あなたのいう『新しい政治』とは何を意味するのか」と訊ねた。これに対しマリーナ氏は「PTとPSDBの二極化という政治形態はもう時代遅れ」とし、「私が政権を取ったときは、ルーラ氏やカルドーゾ氏のような戦略的視点を持つ人物を両党から招いて仕事をする意向だ」と語った。