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マリーナ台頭=ジウマが選挙戦略変更へ=対決を避けずに正面から=政策増やし街頭戦略も=アエシオも警戒心強める

 大統領選でのマリーナ・シウヴァ氏の急激な台頭を受け、ジウマ大統領(労働者党・PT)は選挙戦の戦略を変えざるを得なくなっている。また、アエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)も牽制する姿勢を強めている。28日付伯字紙が報じている。

 26日発表のイボッピの世論調査でマリーナ氏に支持率29%(ジウマ氏は34%)で迫られ、決戦投票では36%対45%で敗れるという結果が出た翌27日、ジウマ大統領は大統領官邸で選挙対策委員会を開いた。この会議にはPTと連邦政府で連立を組む党の代表たちが集まった。
 連立党代表たちはこの会議で、現在ジウマ大統領が行なっている戦略の変更を求めた。それは主に、ジウマ氏がマリーナ氏からの攻撃を避け、PT政権とカルドーゾ大統領時代のPSDB政権との比較に終始していることに関してだ。
 連立与党の代表者たちは、ジウマ氏にもっとマリーナ氏と向かい合うことと、ジウマ氏自身が将来のブラジルについての提案を積極的に行なうことを求めた。また、マリーナ氏の所属するPSBの攻撃材料として、同党の前任大統領候補だったエドゥアルド・カンポス氏が13日に死亡する原因となった墜落したセスナ機に不正購入の疑惑があることを選ぶことでも、PTと連立党は意見が一致したが、批判役は第三者に委ねる意向だ。
 こうした提案を受け、PTのジョアン・サンタナ選挙参謀は、政見放送で、ジウマ氏が政策アイデアを語る場面を増やしていく方向に路線変更しそうだ。
 また、PT副党首のジョゼ・ギマランエス氏が「ルーラとジウマに足りないのは、全国に出向いて民衆と触れ合うことだ」とも語っているように、両氏による全国的な街頭戦略も増やして行きたい意向だ。
 またPTのサンパウロ州での大統領選コーディネイターのルイス・マリーニョ氏は、アエシオ氏を12年でのサンパウロ市市長選でのフェルナンド・ハダジ現市長と比較している。「あのときのハダジ氏は決選投票に行けるかが微妙な状況だったが、対立候補の矛盾を突くことで一次選挙を通過した。アエシオ氏もマリーナつぶしができなければ、一次投票で圏外に落ちる」とし、アエシオ氏がマリーナ氏の矛盾点を指摘することがPTを助けることにもなると語っている。
 一方、28日にエスタード紙の公開インタビューに応じたアエシオ氏は、ジウマ政権の経済や治安に対する政策への批判と共に、マリーナ氏への攻撃も行なった。
 アエシオ氏はマリーナ氏が「(当選の暁には)ルーラ氏やカルドーゾ氏からの援助も受けて政権を担当したい」と発言したことに関し、「聞こえの良い発言だが、〃安定〃を選ぶのか〃メンサロン〃を選ぶのかという選択肢はあまりにも違う」と語り、それが起こりえないことを強調した。そして「ブラジルが今求めているのはアマチュアの政治家ではない」として、マリーナ氏を批判した。