サンパウロ市の交通技術公社(CET)が26日、2013年のサンパウロ市では、バス専用レーンが設置された道路では一般車両の速度は落ちたがバスの速度は改善した事などをまとめた報告書を発表したと27日付エスタード紙が報じた。
CETは毎年、市内の主要道路220キロで朝夕のピーク時の交通量や走行時間と停止時間の関係などを調査している。このデータはサンパウロ市の交通対策などを練る上で非常に重要な意味を持つ。
バス専用レーンが設置された道路はもともと渋滞が激しく、渋滞が起きる時間帯にもバスが自由に走れるようにという目的で設置されている。
これを実証するのは、バス専用レーンを設置した道路の一般車両の時速は17・7キロで、2012年の18・5キロ比4・3%遅くなったが、専用レーンを走るバスの時速は14キロから20キロに改善したという事実だ。これらの道路では朝のピーク時に一般車両が費やす時間が16%、午後のピーク時も7%増えたという。
サンパウロ市の渋滞は、走行車両の数は増えても道路が拡張されないなどの理由で年々激しさを増し、1990年代以降の平均時速は低下する一方だ。
13年の場合、サンパウロ市内を走る車は、渋滞や信号待ちのため、走行時間の30%を停止した状態で過ごしたという。午後のピーク時の停止時間は33%に達した。
調査対象は主要道路220キロのみで、渋滞を嫌い他の道に逃れる車もあるため、バス専用レーン設置で一般車両用のスペースは33~50%減った後も、停止時間の増加はこれ以下だ。
朝のピーク時の停止時間が最も増えたのはペドロ・アウバレス・カブラル大通りの177・3%で、同道では午後のピーク時も56・3%増。イビラプエラ方面に向かう車の時速は午後の場合、14・2キロから6・7キロに低下した。
午後のピーク時に停止時間が増えたのはルージ大通りの350%、ジョアン・ジアス大通りの186%、エウゼビオ・マトゾ大通りの185%など。但し、ルージ大通りの朝の停止時間は71%減った。セナドール・テオトニオ・ヴィレラ/ジャンガデイロ/インテルラゴス/ワシントン・ルイス大通りでは朝の停止時間が周辺部で56・4%、中心部で55・5%増。午後の停止時間は48・5%増えた。
地下鉄もあるパウリスタ/ドウトール・アルナウド大通りではバス専用レーン設置後の一般車両の時速が朝4・8%、午後12・2%速くなり、朝の時速は7キロが10キロに若干改善した。
バス専用レーン設置は公共交通機関の利用促進のためだが、バスが増えたのは専用レーンがある道路だけで、それ以外の所では減った例もある。