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アレーナ・コリンチャンスから4キロのところにある土地に張られたテント(Mtst Trabalhadores Sem Teto )
アレーナ・コリンチャンスから4キロのところにある土地に張られたテント(Mtst Trabalhadores Sem Teto )

MTST=〃民衆のコッパ〃で契約書=不法侵入への影響は?

 ホームレス労働者運動(MTST)が27日、サンパウロ市東部イタケーラで起きた〃民衆のコッパ〃の土地の買取契約にサインした。28日付エスタード紙が報じている。
 〃民衆のコッパ〃は今年5月に起きたMTSTによる不法侵入で、15万5千平米の広大な土地に3500体ほどのテントが張られていた。MTSTはカルモ公園に隣接した未開発地を大衆住宅建設用地にするよう求めていた。〃民衆のコッパ〃以降、サンパウロ市にはこうした不法侵入が頻発し、火付け役となったイタケーラの土地の行方には注目が集まっていた。
 MTSTがサインしたのは、〃民衆のコッパ〃で占拠した土地を所有者である住宅建設会社ヴィヴェールから3500万レアルで買い取るという契約書だ。実際の土地の買取と大衆住宅の建設は公金で行われ、3500万レアルは11月3日までに一括払いで支払われる。住宅建設や運営にはMTSTのメンバーも参加し、建設作業に携わったメンバーは完成した住宅に優先的に入居できるという合意は8月の初旬に成立していたが、公表されていなかった。
 MTSTコーディネーターのギリェルメ・ボウロス氏によると、26日には、土地の買取と住宅建設のための公金支出を速やかに行なうため、連邦政府と州、市との契約書も交わされた。2通の契約書は、占拠した土地に「ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダ」の家を建て、MTSTのメンバーを優先的に入居させるよう、5月8日にジウマ大統領と交渉した際に個人的に合意に達していたことを明文化したものだという。ただし、都市省はMTSTからの〃民衆のコッパ〃に関する計画書類を一切受け取っていないという。
 ブラジル弁護士会(OAB)サンパウロ州支部長のマルセロ・マニャエス・デ・アルメイダ氏は「MTSTのようなやり方がまかり通れば、不法侵入が活性化することになる」と警鐘を鳴らしている。