29日に第2四半期の国内総生産(GDP)が発表され、ブラジルは第1四半期比0・6%のマイナス成長に終わり、実質的な「リセッション(景気後退)」に突入した。29日付伯字紙サイトが報じている。
地理統計院(IBGE)が発表したところによると、14年第2四半期のGDPは1兆2710億レアルで、第1四半期と比較して0・6%の減少となった。第1四半期も13年第4四半期と比べて0・2%下がっており、2四半期連続でのダウンとなった。
ブラジルの経済が2四半期に渡って前期比減となったのは、世界的な経済危機が起きた2008年の第4四半期と09年の第1四半期にそれぞれ3・9%と1・6%下がって以来のこととなる。
また、今年の第2四半期を前年同期で比較すると0・9%減で、その落ち込みの比率はさらに大きなものとなる。
第2四半期のGDPが落ち込んだ最大原因は投資部門で、前期比で5・3%、昨年同期比では11・2%の落ち込みを記録した。この部門は4四半期連続で縮小したことになるが、今回の落ち込み幅は11・8%の減少を記録した09年第1四半期以来となる。
工業部門も1・5%と12年第2四半期以来の落ち込みを記録。サービス部門も、08年第4四半期以降では最悪の0・5%の減少を記録した。
また、14年第1四半期は前期比で3・1%上昇した農業部門も0・2%の伸びに止まった。第1四半期は0・2%減少した家族消費はいくぶん持ち直したものの、それでも0・3%上昇したに過ぎなかった。
だが、今回の減少幅は経済界の見通しを下回った。第2四半期はサッカーのW杯開催で営業日が減り、自動車などの工業製品の消費が冷え込むことなどが予想されていたことから、経済界は前四半期比で0・4%、前年同期比で0・6%の減少と予想していた。
また、8月25日現在の中央銀行のフォーカスによる今年のGDP成長予想は0・7%増で、13週連続で下方修正された。この数字が現実のものとなれば、今年の経済成長率は09年以来の低率となる。
今回の結果を受け、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)のマルコ・アントニオ・カルヴァーリョ・テイシェイラ教授は「数字上の景気後退が明確になったことで、ジウマ大統領がその責任を問われるのはまちがいないだろう」とし、ジウマ政権の責任を追及できる分、マリーナ・シウヴァ氏やアエシオ・ネーヴェス氏に有利に働くだろうと見ている。
ギド・マンテガ財相は29日にGDPが発表されると見越し、前日の28日に2015年の予算案を発表した。同財相はその際、「インフレ目標さえ打ち出せなかった中銀総裁を財務相候補に抱える候補者がいる」と、カルドーゾ政権で中銀総裁を務めたアルミニオ・フラガ氏を当選時の財相に希望するアエシオ氏を批判した。また、「経済の流れを変えようとする空気があるが、かえって悪くなる」と大統領選の他候補を牽制した。
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