マラニョン州サンルイスのペドリーニョス刑務所で27日夜、収監者同士のけんかが起き、当事者の一人が殺された。これにより、今年に入ってからの同刑務所内での殺人事件の犠牲者は14人となったと29日付アジェンシア・ブラジルが報じた。
ペドリーニャスは同州最大の刑務所で、州内で麻薬密売などを行う犯罪組織同士の抗争が所内にも持ち込まれている。昨年の場合は少なくとも60人が殺害され、国連の人権委員会のメンバーの視察なども受けた。
今回の犠牲者は29歳のマルコス・パウロ・サントス・サーレス実刑囚で、麻薬の売買に絡む金の問題で同じ房の囚人達と口論となり、殺害されたという。
同刑務所では、2週間ほど前にも収監者の一人が殺害後にバラバラにされるという事件が発生している。この事件の犠牲者は23歳のラファエル・アウベルト・リボリオ・ゴメス実刑囚で、7日から行方不明になっていたが、12日に、バラバラにされた遺体が入ったプラチックの袋が所内の一角に埋められていたのが見つかった。
ペドリーニャス刑務所は、収容人数をはるかに超える犯罪者を収容しており、1月の始めには同刑務所内から出た命令により、州都周辺の警察署が襲撃された。同日はバス5台が放火され、全身に火傷を負った6歳の女児が2日後に死亡する事件も起きた。