サンパウロ総合大学(USP)の大学院で講義を行なうため、国際交流基金から派遣された国学院大学文学部の渡邊欣雄教授(67、東京)が、15日来社した。日本文化人類学会の前会長で、沖縄文化を中心とした東アジアの文化人類学が専門分野。客員教授として今月1日から9月30日まで「世界の中の沖縄文化」をテーマに10コマ(1コマ4時間)を受け持つ。
USP大学院には日本語、日本文学、日本文化の3学科がある。同伴した同大日本文化研究所の森幸一教授によれば、「院に東アジア講座を新設したい意向があった。その第一人者である渡邊先生はうってつけの人物なので、以前から招聘を試みていた」という。
渡邊教授は、「沖縄は鎖国がなかったことで、いつの時代も多様な文化が入り乱れ、独自性のある豊かな文化が育った。本土との環境の違いが、地域のまとまりを強くしている」と同県の特徴を指摘。初となるブラジル滞在に関し、「調査や現場体験、沖縄文化に関する講演会などもできれば」と意欲を見せた。