8月29日に発表されたダッタフォーリャの大統領選世論調査の最新結果によると、マリーナ・シウヴァ氏(ブラジル社会党・PSB)が大きく支持を伸ばし、一次投票の段階ではジウマ大統領(労働者党・PT)と引き分け、決選投票では大きく差をつけて勝利するとの予想となった。8月30日付伯字紙が報じている。
前回8月14~15日付のダッタフォーリャの調査はPSB前候補のエドゥアルド・カンポス氏の急死を受けたものだったが、今回は同月20日にマリーナ氏が正式な大統領候補と発表されてから初のものとなる。
最新の調査でのマリーナ氏は、支持率を前回の21%から大幅にあげて34%とし、前回36%からやや下がったジウマ氏と並んだ。このあおりを受け、前回既に支持率3位に落ちていたアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)は、支持率を20%から15%に落とした。4位のエヴェラウド氏(キリスト教社会党・PSC)の支持率も3%から2%に落ち、それ以下の候補の支持率は1%を割った。
決選投票で「マリーナ氏対ジウマ氏」になった場合のシミュレーションは、前回もマリーナ氏が47%対43%で勝っていたが、今回は50%対40%とその差をさらに広げた。
また、「ジウマ氏対アエシオ氏」の場合は48%対40%でジウマ氏が勝つとの予想で、前回の47%対39%と大きくは変わっていない。
支持率を地区別に見てみると、ジウマ氏が北伯、北東伯で過半数に迫る勢いで圧倒的な強さを見せる一方で、マリーナ氏は大票田である南東伯、さらに中西伯でもジウマ氏を上回る支持を得た。また、ジウマ氏の拠点の一つである南大河州を含む南伯でもジウマ氏と引き分けた。そして、ジウマ氏が強い北伯、北東伯でも30%の支持率を得るなど健闘が目立っている。
マリーナ氏への支持率がジウマ氏より高い層は「16~24歳(42%)」、「大卒者(43%)」、月給が最低給与の5~10倍の「中流階級の上(44~22%)」、「人口20万以上50万未満の市(38~26%)」だった。
ジウマ氏の方が優勢なのは「60歳以上(38~25%)」、義務教育までの「低学歴者(44~25%)」、月給が最低給与の1~2以下の「低所得者(41~31%)」「人口5万人未満の市(44~29%)」で、マリーナ氏とは全く対照的な結果となった。
奇しくもこの結果は、2四半期連続での国内総生産(GDP)減少の発表当日に発表された。今回の調査はGDP発表前に集計されたもので、「景気後退」の報告を国民が受け取る前の結果であったことから、次回調査ではジウマ氏のさらなる苦戦が予想される。
今回のGDP0・6%減の結果を受けた直後、マリーナ氏は「嘆かわしい」と評して早速ジウマ政権を批判。アエシオ氏も前日の8月28日に同氏を揶揄した上、景気後退も否定するギド・マンテガ財相を批判した。
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