丹下セツ子太鼓道場(梶原アウミル代表)は第6回発表会を先月24日午後2時から、サンパウロ市の宮城県人会館で行い、講堂いっぱいに置かれた200席では座り切れない人が集まった。最新の音響照明設備が設置され、約2メートルも広げられた舞台いっぱいに熱気ある15曲の演奏が繰り広げられ、観客は鼓膜が震えるような迫力を楽しんだ。
創立36年目の同道場では35人の生徒が、今泉豊さんによる助六スタイルの和太鼓を練習している。若い日系人親子を中心に駐在員からブラジル人まで幅広い生徒が毎週土曜日に通って励んでい
る。
司会の浜崎芳一さんは「本当は今年、創立35周年と丹下セツ子先生渡伯50周年で盛大なショーをやりたかったが、W杯もあり、選挙日と重なってしまったのでダメだった。来年10月にやるつもり。その時には今泉先生も来伯してくれる予定です」と挨拶した。丹下さんは「いろんな人に助けられてここまでやってこれた。来年はもっと良いショーを見てもらえると思う」と舞台から感謝した。
子ども中心の「花火」「祝い太鼓」などから始まり、「ソーラン節」、パラナ州マリンガーにある支部、勢至丸太鼓からも生徒6人が参加して力強い演奏を披露した。浜崎さんは「来年、勢至丸太鼓の母体である和順会が40周年を迎えるので、マリンガ―で丹下セツコ道場が協力して大きなショーをする予定です」と語った。
当日は、デボラ・コスタさん指導のタップダンスも海藤三味太鼓グループ(海藤司代表)の三味線に合わせて披露されるなど、日伯折衷の新しい芸目もお披露目され、観客の拍手を浴びていた。
来場したカルラ・オリベイラさん(24)は「タップダンスが最高に良かった。2008年から4年間、私も道場に通っていたの。またやりたくなって来たわ」と笑った。若者やブラジル人が多い観客を見回しながら畑勝貴さん(80、東京)も「伝統を守りつつ、新しい分野を開拓している」と頷いた。