60歳以上の人達が第3世代と呼ばれるようになって久しいが、第3世代の人たちに訊くと、45%の人は自分達が使える品物やサービスを見つけるのが難しいという。
服を探せば、若い人向けのラフな服装やもう少し年配の人向けのフォーマルな服は簡単に見つかるのに、肩が凝らず、普段着にも使えるような服は見つからない。携帯電話を買う時も文字やキーがもう少し大きかったらと思ってしまう。
レストランやバール、ナイトクラブなどのプログラムの大半は若者に焦点をあてたもので、自分達も楽しめるものはほとんどないという。
地理統計院の2013年のデータによれば、60歳以上の人は人口の13%にあたる2400万人おり、同年代の人が動かす年金や恩給、給与などの金額は、総計4020億レアルに上る。
クレジット保護サービス(SPC)ブラジルのマルシア・カワウチ氏によると、41%の人はある程度お金をかけても満足できる品物やサービスを手に入れる事を望んでいるが、45%は自分達に合った品やサービスが不足していると感じている。64%の人は何を購入するかを一人で決めており、収入以上にお金を使ってしまう人は17%のみ。経済的には安定した状態だといえる。
カワウチ氏によれば、ブラジルの第3世代人口はベネズエラの人口の3倍に当たるのに、工業界や小売業界、サービス業などはそれに見合う開発意欲を示していない。自分達に合う品やサービスを見つけるのが最も困難なのは、70歳以上の女性だという。
これに対し、ブラジル繊維工業会(Abit)のフェルナンド・ピメンテル会長は、繊維業界では既に、第3世代の人向けの商品開発などの取り組みが始まっており、商品の数も増えていくはずだと言う。
ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)のマウリシオ・モルガド教授によれば、最も対応が遅れているのは、第3世代の人達の肉体的、精神的な要求や必要に対する理解や対応の仕方だという。バールやナイトクラブがうるさすぎたり、薄暗すぎたりするのはその一例で、包装紙に書かれた文字も、読みやすい大きさにする必要がある。
ESPMのファビオ・マリアの・ボルジェス教授も、ケーブルテレビの係員は顧客に「機械が電源に繋がっているか確認してください」と求める事が多いが、係員の多くは第3世代の人にとってはかがみこんで接続を確かめるという行為が大仕事であるという事を忘れていると指摘している。
ちなみに、第3世代の人が不足していると感じているものは、衣類20%、文字やキーが大きい携帯電話12%、外出先(心地よく過ごせるレストランやバールなど)9%、第3世代向けの旅行パック7%、美容・衛生用品3%、化粧品2%などだ。(2日付フォーリャ紙より)