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大統領選討論会=ジウマがマリーナと対決=「言葉だけでは運営無理」=「間違いを認めない」と反論=アエシオは対決避ける

 フォーリャ紙、UOL、ジョーヴェン・パン、SBT共催の大統領候補による公開討論会が1日に行なわれ、ジウマ大統領(労働者党・PT)が、猛追を見せるマリーナ・シウヴァ氏(ブラジル社会党・PSB)と直接対峙し、議論を挑む姿が見られた。2日付伯字紙が報じている。

 大統領候補による公開討論会は、8月27日のバンジ局主催のものに次ぐ2回目で、8月29日発表のダッタフォーリャの世論調査で、一次投票ではマリーナ氏と同率、決選投票では敗戦との予想が出たジウマ氏が戦略を変更した。前回の討論会ではアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)を相手取って議論する展開を行ない、マリーナ氏との対決を避けたジウマ氏が、今回は議論の半分以上をマリーナ氏に割いた。
 ジウマ氏はマリーナ氏に対し、同氏が公約とする「国内総生産(GDP)の10%を教育費に充てる」「国庫の10%にあたる投資を保健部門に充てる」「公共交通における学生の料金無料化」などの提案を、「どのようにして実行するのか」とたずねた。
 それに対しマリーナ氏は「現在は政府の資金運用に無駄が目立つ。それを正しく運用していきたい」とし、満期公債への高額な利子の支払いなどを批判した。
 またジウマ氏は、マリーナ氏が近年、総額160万レアルの講演料を受け取ったことに関し、講演を依頼した複数の企業名を明らかにしないのはなぜかと質問したが、マリーナ氏は「もし依頼主の企業が希望すれば、その名を出すことは別に問題はない」と答えた。
 他方、マリーナ氏はジウマ氏に対し、「連邦政府が予算に計上されていない5千億レアルの資金を社会経済開発銀行(BNDES)に送った」と批判した。それに対しジウマ氏は、「大企業に低金利で投資を行なうための資金を拡充するために行なった」と語った。
 またマリーナ氏はジウマ氏のインフレ対策や岩塩層化油田の対策を批判し、「あなたは決して間違いを認めようとしない」と発言した。
 これらのマリーナ氏の批判に対し、ジウマ氏は「きれいな言葉だけでは政治は出来ない。議会での支持や交渉がないとブラジルを動かすプロジェクトは実行出来ない」と切り返した。
 一方アエシオ氏は、この日はマリーナ氏とは一切議論を行なわず、ルシアナ・ジェンロ氏(社会主義自由党・PSOL)など少政党との議論に時間を割く作戦に出たが、ジウマ氏と議論を交える場面では、「あなたが自慢にしている雇用創出ももう止まってしまった」と批判した。
 またマリーナ氏はこの日、8月29日に発表した政策要項から同性愛結婚の条項を外したことに関する質問をルシアナ・ジェンロ氏から受けた。ルシアナ氏は、福音派のシラス・マラファイア牧師が同姓愛婚を批判したら即時撤回したと指摘。これに対しマリーナ氏は「まだはっきり決まっていなかったことを載せたのはキャンペーン・チームのミス」と語り、「個人の自由は尊重する」と述べた。