全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)が2日、8月の乗用車と軽量商用車の販売が7月より7・38%減の25万9152台に止まり、W杯後には業績回復との業界の期待を裏切ったと2日付フォーリャ紙やG1サイトなどが報じた。昨年8月は乗用車や軽量商用車が27万9805台売れており、8月の販売は昨年同月比17・12%縮小した事になる。
8月はバスやトラックの販売も振るわず、前月比7・56%減。バスは2417台で前月比2・58%減に止まったが、トラックは1万926台で12・54%減となった。だが、トラックが昨年同月比13・85%減だったのに対し、バスは22・31%だった。乗用車と軽量商用車、バス、トラックまで含む販売台数は昨年同月比17・22%減だった。
1~8月の全車種の販売累計は223万126台で、昨年同期の247万421台と比べ9・73%減。乗用車と軽量商用車のみの累計は212万5543台で、234万4386台だった昨年同期より9・51%縮小した。
8月の販売がW杯のために営業日が減った7月を下回った事は、W杯が後は営業日数も増えて販売業績が回復と見込んでいた関係者を驚かせた。連盟のフラヴィオ・メネゲッチ会長は、経済指標悪化などで消費者の信頼感指数も低下しており、高額商品を購入するためのクレジットも自由に組めないなどの条件が販売減を招いたと見ている。
これに対し、ギド・マンテガ財相は「1月は工業製品税(IPI)の引き上げもあるから、(駆け込み需要が見込まれる)第4四半期の販売は増加に転じ、9%の減少分も取り戻せるはず」と楽観視している。
ただ、市場の動きを見ると、楽観視は出来そうもない。2日付エスタード紙によれば、2013年に負債を抱えていた家庭は63%で、2012年の59%を上回った。
また、2日付フォーリャ紙によれば、約400社を対象とする工業界の活性度を示す指数は50・2で、7月の49・1を上回った(同指数が50以上だと成長軌道にある事を意味する)が、工業生産はやや回復したものの、雇用は8月も減少したという。
自動車業界の動向を専門とするコンサルタント会社ジャット・ダイナミクスのミラド・カルメ・ネット氏は、4大自動車メーカーは集団休暇やレイオフを採用中で、ローン長期化などを打ち出した販売促進キャンペーンを展開しても販売低下を免れなかった事を指摘。輸出その他で思い切った政策が採られない限り、2015年も、工業界を中心に経済活動が減速または後退した状況が続くと見ている。