裏千家の記念大会のため、日本の総本部から来伯したのは約50人。その内の一人、広報部の有田外喜彦主査によれば、「お茶っ葉など、税関に没収された物品もある」とか。食品関係は福島原発事故の影響もあるようだ。さらに輸送手続きに1年かかったものや、ハワイを経由させたものもあったとか。高関税もそうだが、この種の輸入規制が、文化普及イベントや記念式典開催の大きな障壁となっている状況は、何とかならないものだろうか。
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裏千家は現在、35カ国に全107の支部や拠点があるという。同主査によれば、ブラジルは米国(ハワイ、ロサンゼルス、サンフランシスコ)の63年前創立に次ぐ、世界で二番目に古い支部だそう。日伯修交100周年の95年には、16代家元・千宗室さんがブラジリアの連邦議会で平和友好祈念献茶式を行なったとか。来年の120周年も、裏千家にとっては縁の深い節目といえそうだ。
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勝ち負け抗争を描いたノンフィクション映画『闇の一日』(奥原純監督、2012年、82分)が6日午前11時から、サンパウロ市のショッピング・フレイカネッカ(Rua Frei Caneca 569)内の映画館エスパッソ・イタウで、サンパウロ市市民人権局の啓発映画プロジェクトの一環として無料上映される。同プロジェクトでは、毎週土曜日同時間に人種差別などの人権問題に関わる映画を上映している。NHK・BS1で8月に放送されたばかりの『遠い祖国』でも登場した日高徳一さんの体験談を中心に、同作品はブラジル近代史における勝ち負け抗争の意味を問いかけている。
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